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クロード
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トマシュさんは……いないようだな。
まあいいか。
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クロード
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あれから英雄の遺産についていろいろ
調べていてね、面白いことがわかったんだ。
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クロード
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なぜって……言わずともわかるだろ?
それより面白いことってのはな……
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クロード
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英雄の遺産には、それを正しく使える
紋章が刻まれてる。紋章石の部分にな。
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クロード
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とすると、紋章は英雄の遺産を安全に
使うために必要な鍵みたいなもんなんだろ。
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クロード
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じゃあ“天帝の剣”には紋章を示す
紋章石がついてないのは、なぜだ?
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クロード
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おいおい、俺の鮮やかな推理を女の移り気
みたいな一言で片づけないでくれよ。
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クロード
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紋章石こそが、人間離れした力の
根源なんだって俺は考えてる。
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クロード
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マイクランが黒き獣と化した時、奴を覆って
いった謎のシロモノは紋章石から現れた。
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クロード
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そして紋章石は奴の体表に……
そこで、書庫にあったこの絵を見てくれ。
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クロード
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こいつは女神に遣わされ、セイロス教徒を
救ったといわれる“白きもの”らしい。
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クロード
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額に描かれた模様、そしてうっすらと見える
丸い境界線……これは紋章石じゃないか?
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クロード
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つまり紋章石は本来、“白きもの”みたいな
巨大な姿を取るための核のようなもので……
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クロード
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英雄の遺産は、その変身の力を武具としての
力に転用したもの、ってのが……
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セテス
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……君たちか。
トマシュを見かけなかったか?
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クロード
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いえ、俺も会いたかったんですけど、
留守のようですよ。
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セテス
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そうか。
……!? その絵は……?
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クロード
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書庫にあったんです。
何かまずいことでも描かれてますかね?
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セテス
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いや……だが、それはここの蔵書ではなく
トマシュが私物を持ち込んだものだろう。
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セテス
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他の書物と紛れては困る。
いったん、私が預かっておく。
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クロード
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以前、トマシュさんが言ってたんですよ。
修道院では都合の悪い記録は消される、と。
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セテス
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トマシュが? 何を馬鹿なことを……
私は忙しい、もう行くぞ。
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クロード
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随分、慌ただしい様子だったな。
トマシュさんに何か用でもあるのかねえ。
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クロード
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さて……絵も取られちまったし、
今日はここまでにしとくか、先生。
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クロード
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やっぱり教団は、何かを隠してる。それも
遺産や紋章に関わる、馬鹿でかい秘密をな。
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クロード
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その秘密は……先生、
あんたの正体に関わるんだぜ。