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メルセデス
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……あ、コンスタンツェ。
邪魔をしちゃったかしら~。
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コンスタンツェ
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実は先程、私の人格を一つにするために、
役立ちそうな魔道書を見つけましたのよ。
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コンスタンツェ
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しかし……これは、私の知るどのような
魔道とも似て非なるもの……
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コンスタンツェ
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悔しいですけれど、これを我が物とするには
何十年かかるかわかりませんわ……
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メルセデス
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何十年……あらあら、
本当に、何て言ってあげたらいいか……
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メルセデス
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そんなに落ち込まないで。私は、今の
あなたのままでもいいと思ってるんだから。
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コンスタンツェ
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けれど、なぜ……? 今のままでは皆様にも
迷惑をかけてしまいますわ。それなのに……
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メルセデス
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どちらのあなたも、私にとっては
可愛い妹みたいなんだもの~。
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メルセデス
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これはこれで、あなたが二人いるみたいで
可愛いじゃない? 私は好きよ~。
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コンスタンツェ
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それをお姉様に言われてしまったら、
治そうという気持ちも萎んでしまいますわ。
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メルセデス
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えっ? ご、ごめんなさい。
あなたの気持ちを考えてなかったわよね。
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コンスタンツェ
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いいえ、責めているのではありませんわ。
ただ、私も己の未熟さを感じているのです。
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コンスタンツェ
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これまで私は、この人格を消すこと
ばかりに固執し続けてきました。
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コンスタンツェ
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「彼女」と向き合うという選択肢を、
考えたことさえありませんでしたわ……
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コンスタンツェ
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研究は続けますけれど……、
完成しても使わないかもしれませんわね。
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コンスタンツェ
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生活に若干の支障はあれど、そもそも家の
再興には、何の問題もありませんもの。
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コンスタンツェ
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お姉さまにとって「彼女」が妹なら、
私にとっても双子の姉妹ということ……
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メルセデス
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ふふっ、そう……
そう言ってくれて、良かったわ。
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コンスタンツェ
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さ、そうと決まれば、私たちの爵位奪還に
向けて邁進していきますわよ!
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メルセデス
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ふふっ、そうね。最強の魔道士として、
一緒に爵位を勝ち取るんだものね。
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コンスタンツェ
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私の行く道がお姉様と共にあるのなら……
先に待つのはただ、勝利の二文字ですのよ!