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シルヴァン
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……あの、殿下? いきなり俺の部屋に
転がり込んできて、どうしたんです……?
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ディミトリ
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しばらく匿ってくれ。
……お前にも責任があるんだからな。
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シルヴァン
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匿う? まさか誰かに追われているとか?
けど、いったい誰が……
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シルヴァン
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匿う? まさか敵に追われているとか?
帝国軍か、それとも……
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ディミトリ
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おっ……お前が女性を
口説きに行けと言うからなあ……!
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シルヴァン
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……ああ、やっぱりろくなことに
ならなかった……す、すみませんって。
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ディミトリ
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お前は約束どおり、きちんと素行を改めた。
だから俺も応えなければと……
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シルヴァン
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律儀に女の子を食事に誘ったら、何でか
その子に追い回されるようになった、と。
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シルヴァン
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……どうせ普段俺が言ってるようなこと、
そのまま言ったんでしょう?
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シルヴァン
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たとえ同じ口説き文句でも、真面目な奴の
言葉ってのは、本気で取られちまうもんだ。
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ディミトリ
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……俺に女を口説くなど百年早かった。
ああもう、どうしたらいいんだ俺はッ。
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シルヴァン
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……仕方ないな、俺が何とかしましょう。
俺が殿下をからかったのが元凶なんだし。
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シルヴァン
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厳しい相手だが、やりようはある。彼女の
興味を殿下から逸らしてやればいいんだろ?
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シルヴァン
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そういうのは、俺の得意分野だ。
大船に乗ったつもりで待っててくださいよ。
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ディミトリ
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これは俺の無知が招いた結果でもある。
流石にお前に任せきりというのは……。
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シルヴァン
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人間ってのには向き不向きがあるんですよ。
何でも一人で解決できたら苦労しない。
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シルヴァン
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けど、昔からあんたは、何でも一人で考えて
頑張ろうとするから、すっ転ぶってわけだ。
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シルヴァン
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好きな子に短剣あげた話だって、前もって
俺に言ってくれたら、相談に乗ったのにさ。
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ディミトリ
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……あれはただ、時間がなかったんだ。
話を聞いたその日に国を発つと言うから。
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シルヴァン
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あーはいはい、そうですね。じゃ、
これからはちゃんと相談してください。
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シルヴァン
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……もっと俺たちを頼っていいんです。あ、
俺が困った時は殿下を頼らせてくださいよ。
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ディミトリ
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ファーガスの騎士は約束を違えない。
……そうだろ。
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ディミトリ
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うっ……シルヴァン、すまん。
ならば、今回ばかりは任せるからな……!
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シルヴァン
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おうさ。これまで鍛えに鍛えた俺の技量、
よーく目に焼き付けておいてくださいよ。