ドロテア & フェリクス Ａ＋

ドロテア
どう？　フェリクスくん。 お茶、美味しいでしょ？

フェリクス
……そうだな。

ドロテア
……こうして、 のんびりするのもいいわよねえ。

フェリクス
……ああ。

ドロテア
……そういえば、装備が傷んだって 言ってましたよね。修繕した？

フェリクス
ああ。

ドロテア
………………。

フェリクス
………………。

ドロテア
ねえ、少しは話をする気ないの？

ドロテア
たまには話題を提供してちょうだい。 貴族社会の、小粋で洒落た逸話とか……

フェリクス
言ったはずだ。 冗談の手合いは好まん、と。

ドロテア
……ただの皮肉よ。 はあ……。

ドロテア
……そういえば、今度、大聖堂で 小さな演奏会をするの。

ドロテア
私も歌うんだけど、 興味……あるわけないわよねえ。

フェリクス
……歌が、得意なのか。

ドロテア
え？　私にそれ聞いちゃう？ ミッテルフランク歌劇団の歌姫だった私に？

フェリクス
忘れていた。

ドロテア
忘れてたって…… そんなに私に興味ないの！？

ドロテア
私のこと、何だと思ってるのよ。

フェリクス
ぎゃあぎゃあとうるさい女だ、と。 ……だが、訓練の相手にはちょうどいい。

フェリクス
……それから、茶を飲む相手にもな。

ドロテア
……？

フェリクス
それで、演奏会とやらはいつだ。

ドロテア
えっ……もしかして、来る気？ いいわよ、無理に来なくて。

フェリクス
誘っておいて来るなとはどんな了見だ。 行く行かないは俺が自分で決める。

ドロテア
なら、絶対来てね。 貴方のために心を込めて歌うから。

フェリクス
まだ行くとは言っていない。

ドロテア
もう……来るなら来るって言って。 私、泣きそうよ。

フェリクス
チッ……。 行く。これでいいか。

ドロテア
ええ！　約束したからね。 ふふふっ。