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ヒルダ
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ローレンツくーん。
ね、見て見てー。
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ローレンツ
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どうしたんだい、ヒルダさん。
それは……手紙? もしや兄上からか?
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ヒルダ
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うん。それが、なぜだかあたしのこと
褒めてくれてるんだー。
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ヒルダ
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ほら、「戦うことの意味がわかったヒルダは
一つ成長したね」って!
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ヒルダ
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いつもは、お前が心配だ心配だ心配だって
それしか書いてこないのにー。
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ローレンツ
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そうか、君の兄上が褒めるなら、本物だ。
一緒に戦った僕も誇らしく思うよ。
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ヒルダ
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でも、戦ったことを書くのは初めてじゃ
ないのに……何で褒めてくれたのかな。
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ローレンツ
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君が、前回の戦いで常よりも懸命に
戦ったことが伝わったからだろう。
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ローレンツ
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兄上ほどの武人ならば、行間からそれを
察することができたとしても不思議はない。
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ヒルダ
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だとしたらローレンツくんのおかげだねー。
あなたがいたから一生懸命になれたんだよ。
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ヒルダ
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でもー、あたしが戦えると思われて、
変な期待かけられたら嫌だなー……。
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ローレンツ
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なぜ期待されるのを嫌がるんだい?
君には素晴らしい才能があるというのに。
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ローレンツ
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君が言うわがままも、怠け癖も、
僕にしてみれば可愛いものだ。
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ヒルダ
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可愛い? えへへ、そうかな……。
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ローレンツ
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それよりも、重要なことを思い出したぞ。
約束は守ってくれたんだろうね?
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ヒルダ
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ちゃんと書いたわよー。
兄さんたらローレンツくんの話聞いて……。
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ヒルダ
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「人を導き、力を引き出すことは難しい。
彼はきっと同盟の要となるだろう」ってー。
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ヒルダ
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「人を導き、力を引き出すことは難しい。
彼は新しい時代の要となるだろう」ってー。
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ヒルダ
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自分の弟に欲しいくらいだ、なんて
書いてきたんだからー。
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ローレンツ
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そうか! 彼ほどの勇将の弟になれるなら、
こちらこそ願ったり叶ったりだ!
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ヒルダ
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……兄さんが言う『弟に欲しい』って
言葉の意味、ちゃんとわかってるー?
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ローレンツ
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……わかっているとも。
実は、僕もそのことを考えていたところだ。
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ローレンツ
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この戦いに終止符を打ち、
世の安寧を勝ち取るまではな。
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ヒルダ
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……勝ち取ったら? どうするの?
ちゃんと言ってほしいなー。
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ローレンツ
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君の頼み事でも、それは聞けないな。
これはお互いの人生に関わる重要な話だ。
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ローレンツ
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僕たちに相応しい場所で、相応しい贈り物と
共に、相応しい言葉で伝えねばなるまい?
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ローレンツ
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なんせ、僕はローレンツ=ヘルマン=
グロスタールだからね! はっはっは……
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ヒルダ
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……あの人でいいのかな、あたし。