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エーデルガルト
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(せんせい)、私はこれから数日、 大修道院を離れるわ。
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どこへ行く?
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エーデルガルト
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秘密、と言いたいところだけれど…… アドラステア帝国の帝都、アンヴァルよ。
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エーデルガルト
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聖墓での儀式には間に合うように 戻ってくるから心配しないで。
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エーデルガルト
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(せんせい)、少し付き合ってくれる? どうしても、やっておきたいことがあるの。
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エーデルガルト
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行って戻ってくるのに日数を費やすけれど、 聖墓での儀式には間に合うようにするわ。
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どこへ行く?
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エーデルガルト
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秘密、と言いたいところだけれど…… アドラステア帝国の帝都、アンヴァルよ。
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エーデルガルト
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私には、そこで成さねばならない ことがある……。
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エーデルガルト
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ありがとう……。 そうと決まれば、すぐに出るわ。
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エーデルガルト
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……お父様! 無理なお願いをして、申し訳ありません。
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エーデルガルト
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そのお体では玉座に座ることも、 大変でしょう。ですが……
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イオニアス9世
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いいのだ、エーデルガルト。儂に残された 刻は少ないと……ぐっ……理解しておろう。
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イオニアス9世
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ならば……今しかないのだ……。
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エーデルガルト
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……感謝します。
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エーデルガルト
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玉座の間で帝冠を授かる……でなければ、 帝国の皇位継承の儀は成立しない。
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エーデルガルト
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かつてセイロス聖教会の司教が担った 見届け役は、(せんせい)が務めてくれましょう。
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イオニアス9世
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エーデルガルト……
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エーデルガルト
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私は、帝国のすべてを継ぎます。 ……すべての人のために。
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イオニアス9世
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これを…… エーデルガルト=フォン=フレスベルグ。
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イオニアス9世
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赤き血と白き剣の盟約において、双頭の鷲を 頭に戴く汝を、新たな皇帝とする!
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イオニアス9世
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……その覚悟はあるか!
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エーデルガルト
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フレスベルグの名と古の盟約に従い――
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エーデルガルト
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フォドラを導き、民の安寧を図るため、 その座に君臨することを誓います!
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イオニアス9世
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……これで、皇位継承は済んだ。ああ…… 結局、儂はお前に何もしてやれなかったな。
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イオニアス9世
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王国へ連れ去られた時も、宰相が恐ろしい 行いをした時も、儂は見ていることしか……
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エーデルガルト
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もう、もう良いのです。お父様……私は お父様の目と、拳に救われたのですから。
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エーデルガルト
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お父様が私を想って向けるその目を、 私は信じていました。
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エーデルガルト
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お父様が固く握った拳から血が滴るのを、 私は見ていました。
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エーデルガルト
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私が血を流している時、お父様もまた 血を流しているのだと知っていました。
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エーギル公
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陛下! 寝所を抜け出しては…… これは……エーデルガルト殿下?
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エーデルガルト
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宰相、呼称が間違っているわ。 私は殿下ではない。陛下、と呼びなさい。
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エーギル公
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なっ……まさか!?
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イオニアス9世
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……ただ今をもって、アドラステア帝国の 皇帝はエーデルガルトになった。
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イオニアス9世
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文武百官を招集して布告の準備を進める。 宰相、お前には……
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エーデルガルト
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……更迭を命じる。 外部との連絡はしばらく断ってもらうわ。
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エーギル公
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そんな……まさか!? ……承知、いたしました。
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イオニアス9世
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エーデルガルト……いや、エル。 この国を、このフォドラを、頼んだぞ……。
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エーデルガルト
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お父様……。
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エーデルガルト
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(せんせい)、付き合ってくれて、ありがとう。
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エーデルガルト
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これで、私はアドラステア帝国の皇帝。 もはや立ち止まることは許されない。
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エーデルガルト
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聖墓での儀式を終えたら、帝国に戻るわ。 貴方ともそれでお別れかもしれない。
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エーデルガルト
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……そろそろ時間のようね。 皆も待っている。行きましょう。