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フェリクス
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お前以外に誰がいる?
あの猪の忠犬だろう、お前は。
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フェリクス
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なぜ、それほどまでに奴に従う。
あの男はそれに値するだけの人間か。
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ドゥドゥー
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同胞たちは皆、慈悲もなく殺され
街は何もかもが焼き払われた。
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ドゥドゥー
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父も母も、兄弟も、皆殺された。
誰も助けてはくれなかった。
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ドゥドゥー
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人としての尊厳も、民族の矜持も奪われて
……だが、殿下だけは違った。
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ドゥドゥー
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あの方だけは……ただ一人、
おれたちを人間だと認めてくれた。
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ドゥドゥー
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命を懸けてまで、おれを救ってくれた。
一度死んだおれに生きる目的をくれた……。
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フェリクス
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ではお前は、
奴に命を捨てろと言われたら捨てるのか。
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フェリクス
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相手が無力な幼子や老人であっても……
たとえかつての同胞であってもか。
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ドゥドゥー
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……フェリクス、
お前は何か思い違いをしているようだな。
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ドゥドゥー
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おれは殿下の剣であり盾。
武器に意思など必要ない。
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フェリクス
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そうだな、俺は誤解をしていた。
お前を犬などと呼ぶべきではなかったな。
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フェリクス
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犬は犬でも、お前は狂犬だ。
あの猪には似合いだな。
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ドゥドゥー
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殿下と付き合いの長いお前だからこそ
許容してきたが、これ以上の暴言は……!
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フェリクス
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聞きたいことは聞けた。
さっさと飼い主のところへ帰れ。