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ドゥドゥー
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……怪我はないか。
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イングリット
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……ドゥドゥー。 また、あなたに助けられるとは。
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ドゥドゥー
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……悪かったな。
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イングリット
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……いいえ。その…… 私こそ、あなたに謝らねばなりません。
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イングリット
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あなたは、 私の命を何度も救ってくれた……。
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イングリット
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これ以上の無礼を重ねるのは、 流石に……恩知らずもいいところです。
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ドゥドゥー
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……おれは、気にしていない。
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イングリット
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ですが……
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ドゥドゥー
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慣れている。
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イングリット
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………………。 ……ごめんなさい。
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ドゥドゥー
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なぜ謝る。
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イングリット
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私は……あなたに何度となく、 酷い言葉を投げつけてきました。
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イングリット
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……私は、ダスカーで大切な人を失った。
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イングリット
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ダスカー人への制裁が決まった時も…… 彼らが虐殺されたと聞いた時も……
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イングリット
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何もかも、当然の報いだと思っていました。 彼らは血も涙もない獣なのだから、と。
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ドゥドゥー
………………。
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イングリット
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けれど……あなたの姿は、 そんなものには見えなかった。
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イングリット
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……ドゥドゥー。 なぜ、あなたは何も語らないのです。
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イングリット
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不当な偏見だ、と…… お前に恨まれる筋合いはないのだと……
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イングリット
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あなたがそう言い返してくれさえすれば、 私は、あなたを……
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ドゥドゥー
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……おれが何も語らんのは、 おれが、あの悲劇の真実を知らんからだ。
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ドゥドゥー
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あの惨劇は、ダスカー人の仕業ではない…… 殿下はそう仰るが……
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ドゥドゥー
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……ダスカー人にも、いろいろな者がいた。 善良な者も、そうでない者も。
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ドゥドゥー
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その中に、悪行に加担した者がいたとしても おかしな話ではない。
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ドゥドゥー
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おれたちは、ただの犠牲者かもしれん。 だが、国王殺しの大罪人なのかもしれん。
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イングリット
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ですが……たとえ、そうだったとしても。 それはあなた自身の咎ではないでしょう。
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イングリット
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私が憎いのは、あの惨劇を起こした者。 ……あなたを恨んでも、仕方がない。
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ドゥドゥー
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……イングリット。
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イングリット
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あなたは…… こんな私を、何度も救ってくれた。
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イングリット
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……すみませんでした、本当に。
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ドゥドゥー
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……いや。お前が、おれを仲間だと 思ってくれるなら、おれは……それでいい。
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ドゥドゥー
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……それだけで、十分だ。