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ドロテア
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まあ、ローレンツくん。
どうしてこちらへ?
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ドロテア
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別に何もしてません。
戦い続きで疲れたから、束の間の休息を。
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ローレンツ
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そうか。平民の君にまで負担をかけ、
貴族として面目ない。
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ドロテア
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いいのよ。それよりローレンツくん、
結婚相手は見つかったかしら?
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ローレンツ
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なぜその話を今?
捜すどころの状況ではないが……
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ドロテア
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実は……ねえ、ローレンツくん、
突然だけど、伝えたいことがあるの。
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ドロテア
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私、貴方のことがずっと好きだったの。
でも、もう諦めるわ。
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ローレンツ
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な!? ……いきなりだな。
そして、なぜ諦めるのだ?
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ドロテア
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貴方は貴族で、私は平民……
道ならぬ恋は実らない……。
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ドロテア
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貴方に相応しくなろうと努力したけれど、
この想いは、貴方には届かなかった。
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ドロテア
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私はこの想いを胸に、
独りで生きていくことにするわ……。
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ローレンツ
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そ、そうか。……い、いや、しかし、
そんなに簡単に諦めていいのか? 本当に?
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ローレンツ
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この戦争を通じて僕の考えも変わったかも
しれないし、それに……!
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ドロテア
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ふふふふっ、そんなに慌てて……
冗談よ、ローレンツくん。冗談。
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ドロテア
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ええ、そうよ。
人の心を動かすのが、私の仕事だったもの。
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ドロテア
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貴方が口説くより、よっぽど上手でしょ?
どうかしら?
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ローレンツ
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はは……はっははは! 参ったな。
完敗だよ、ドロテアさん。
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ローレンツ
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僕の心は、君の言葉に大きく揺さぶられた。
いや、気づかされたと言うべきか。
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ローレンツ
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どうやら、僕は知らず知らずのうちに、
君に惹かれていたらしい。
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ドロテア
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でも、私とは結婚できないのよね。
残念だわ、ローレンツくん。
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ローレンツ
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ああ……そうだな。今はできない。
僕は僕の信念に対して決着をつけていない。
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ローレンツ
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だが、この戦争が終わるまでには、
必ず結論を出してみせよう。
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ドロテア
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あら……
それまで私が待ってられるかしら。
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ローレンツ
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ふっ、それは心配ないさ。
僕を超える男が、現れるはずもあるまい!