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アネット
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はー……。
朝の散歩は空気が澄んでて最高だなー……
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アネット
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……って、あれ?
あそこの茂み、何か……人の足……?
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アネット
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……きゃーーーーっ、動いたーーーーっ!?
あわわわ……た、たた、助けなきゃーーっ!
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アネット
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もう、人騒がせにも程があるんだから!
死体かと思ってびっくりしたじゃない!
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アネット
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あんなところで朝まで寝てるなんて……
今は戦争中なんだよ? 危なすぎるよ!
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リンハルト
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戦争中だろうと、睡魔には勝てないよねえ。
いや、ほんと強敵だよ。大戦争の結果さ。
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アネット
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そうやってふざけるのはやめて。
何が強敵、大戦争よ……。
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リンハルト
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アネットは強いからなあ。
それとも睡魔の弱点でも知ってるのかな。
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アネット
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……ほんっとうに、
リンハルトは変わらないね。
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アネット
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相変らず寝てばかりで……
いつかあたしが言ったこと、覚えてる?
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アネット
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まあ、覚えてないだろうね……
『何かに打ち込んだり……』
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リンハルト
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『努力したりすることは、自分の成長に
繋がる』ってやつか。それが何か?
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アネット
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え、いや、悪くないけど。
……その才能、他のことに活かしなよ。
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リンハルト
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やれやれ。
まるでヒューベルトみたいな台詞だねえ。
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リンハルト
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僕は僕の好きなことに打ち込んでるし、
それでいいんだよ。
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アネット
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うーん、そうじゃなくて……
……それなら、言い方を少し変えなきゃね。
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アネット
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他の人のために頑張ることも、
自分の成長に繋がるってあたしは思うのね。
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アネット
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前にあたしを助けてくれたみたいに、
人のために努力しようとか思わないの?
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リンハルト
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……思わないねえ。
君は何でそこまで人のためにできるんだか。
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アネット
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えーっと、だから、
それが自分の成長に繋がるからだって……
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リンハルト
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あ、そうだ。じゃあ僕のために頑張ってよ。
今日みたいに起こすとかさ。
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リンハルト
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そしたら僕も君のために、
もう少し頑張ってみるよ。
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リンハルト
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他の人のためとか面倒臭すぎるからさ、
君のためだけに頑張る。それでいいかな。
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リンハルト
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うんうん。君のために力を尽くすし、
君だけを助けるよ。ずっとね。
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アネット
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ちょっ、え、
そそそそれって、どういう意味?
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アネット
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互いのために力を尽くして助け合うって、
何だか、まるで……夫婦とか、みたい……
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リンハルト
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ああ、なるほど。……でも、君だったら、
毎朝ちゃんと起こしてくれそうだね。
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アネット
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……あたし、自分で起きれない人とは、
結婚なんてお断りだもん!