リンハルト & アネット Ｃ

アネット
ふう……はあ……。 やっぱり一気に全部は無理かなあ……。

リンハルト
やあ、アネット。 その箱、どうしたの？

アネット
あ、リンハルト！ ちょうどよかったあ！

アネット
あのね、荷物を運んでくれって 頼まれちゃったんだけど……

アネット
どうせなら一度で済ませたくって、 いっぺんに運んだら、途中で力尽きて……

リンハルト
へえ、まあ何度も往復するのは 面倒だもんね。その気持ち、わかるよ。

リンハルト
じゃ、荷運び頑張って。 僕は昼寝するから。

アネット
あ、リンハルト！ ちょっと手伝って……行っちゃった……

アネット
はあ……仕方ないかあ。 寮まであと少しだし、頑張っちゃおう！

アネット
よいしょ……ん？　ああっと！ きゃーーっ！

アネット
んん？ あれっ、散らばってない……？

リンハルト
いやあ、危ないところだったね。

アネット
リ、リンハルト！ 帰って昼寝するんじゃなかったの？

リンハルト
やっぱり危ないかもと思って、 念のために近くで見ていたんだ。

リンハルト
そしたら案の定、転んで荷物を ぶちまけそうになったからさ。

アネット
ありがとう……だけどそれなら、最初から 手伝ってくれたって良かったのに……

リンハルト
え？　君が引き受けた仕事でしょ？ 何で僕が手伝うの？

アネット
じゃあ、どうして助けてくれたの？

リンハルト
荷物をぶちまけたら、みんなで片づける 羽目になると思ったからね。

リンハルト
壊れて駄目になって、新しく調達するのに 駆り出されるかもしれないし。

リンハルト
そんなの面倒すぎて、昼寝どころの 話じゃないって。

アネット
んん……最初から手伝っててくれたら、 ぶちまけそうにもならなかったのに。

リンハルト
だから、ぶちまけないようには してあげたでしょ。

リンハルト
一度に運ぶのは難しいってわかったから、 後は面倒でも分けて運ぶしかないよね。

リンハルト
それじゃ、頑張って。

アネット
あはは……そこまで言っておいて、結局 手伝ってくれるわけじゃないんだね……。