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メルセデス enters the scene
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イエリッツァ enters the scene
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イエリッツァ
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……自分に剣を向けた相手を、 疑いもせずに部屋に入れるか。
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メルセデス
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あら? だって、あれはあなたであって あなたじゃない……そうでしょう?
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イエリッツァ
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……あの忌まわしい殺人者こそが、私だ。
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イエリッツァ
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生死の狭間に身を置くことだけに 逸楽を見出す悪鬼……
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イエリッツァ
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そんな男が、お前のような者の 傍らにいるべきではない。
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メルセデス
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えっと……ちょっと待って。 それは、どういうことかしら~……?
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イエリッツァ
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別れを告げに来た。 今日限りで、私は修道院を離れる。
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イエリッツァ
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ここにいれば、私はお前を傷つけてしまう。 私の憎んだバルテルスの人間と同じように。
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メルセデス
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そんな……。
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メルセデス
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……じゃあ、せめて最後に一つだけ教えて。 お義父様たちを殺したのは……どうして?
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イエリッツァ
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………………。
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イエリッツァ
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……あの日、父は、お前たち母娘が王国領の 教会に身を寄せていることを突き止めた。
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イエリッツァ
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だがお前たちを連れ戻したところで、 母はもう、子を産めるような歳ではない。
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イエリッツァ
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ならばラミーヌの血を引くもう一人の女を ……お前を娶ろうと、父は言った。
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イエリッツァ
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その後のことは……もう忘れた。 どう殺したかも、奴が何を喚いていたかも。
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メルセデス
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待って。 ならあなたは、私のためにあんな事件を……
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イエリッツァ
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殺人者は、殺人者に過ぎん。 ……話は終わりだ。
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メルセデス
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待って! ……そんなの、ずるいわ。
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イエリッツァ
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……ずるい?
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メルセデス
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そんな話を聞かされて、 このまま別れられるわけがないじゃない。
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メルセデス
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……せめて、この戦いの間だけでいい。 もう少しだけ、私のそばにいて。
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イエリッツァ
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……私には、 他者を傷つけることしかできん。
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イエリッツァ
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お前も、見たはずだ。私の中に棲む魔物は 誰にであろうと見境なく牙を剥く。
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イエリッツァ
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それでもいいと……お前は言うのか。
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メルセデス
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あなたになら、いくら傷つけられたって、 殺されたって構わないわ。
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メルセデス
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だって…… 私は、あなたのお姉ちゃんなんだから。
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イエリッツァ
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……メルセデス。
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メルセデス
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愛しているわ、エミール。 これまでもこれからも、ずっと。
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イエリッツァ
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……そうか。
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イエリッツァ
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では……もう少しばかり、ここにいよう。 戦いが終わるまでは、お前のそばに……。