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セテス
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マヌエラか。
そんな驚いた顔をしてどうした?
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マヌエラ
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いえ、この前のあなたじゃないけれど、
あたくしも意外だったのよ。
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マヌエラ
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あなたがそんなふうに真剣に
祈りを捧げているのがね。
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セテス
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意外だろうか。まあ、私は人がいない頃を
見計らって、ここに来ているからな。
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セテス
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信徒には、私に気を遣う者も多い。
皆の祈りを、邪魔したくはないのでね。
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セテス
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それに……今、私がここにいたのは、
主に祈っていたわけではないのだ。
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セテス
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……私は、誓っていたのだ。
この聖セスリーン像に。
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セテス
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私にとって聖セスリーンは特別な存在だ。
この像に誓いを立てるのが私の日課でね。
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セテス
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彼女は誰よりも平和な世界を望む。
それに応えるのが私の役目だと考えている。
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セテス
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私にとって聖セスリーンは特別な存在だ。
だからこそ、この像に誓いを……
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セテス
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彼女は誰よりも平和な世界を望んだのだ。
それに私は応えねばならん。
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マヌエラ
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そう……あなたにも、そんな秘めた想いが
あったのね、セテスさん。
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マヌエラ
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確かに、伝説に語られる聖セスリーンは、
優しくて裏表のない、清楚な女性……。
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マヌエラ
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おまけに彼女、とっても物静かだし……。
あなたがご執心なのも仕方ないわ。
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セテス
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待て、マヌエラ。
貴女は途方もない勘違いをしていないか?
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マヌエラ
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それでも、やっぱり想う相手が、
遠い過去の人だなんて……寂しすぎるわ。
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セテス
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違うんだ、マヌエラ。特別な存在とは
言ったが、そういう意味では……
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マヌエラ
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隠さなくてもいいのよ、セテスさん。
あたくし、こう見えて口は堅いから。
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マヌエラ
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でも、言わせて。過去の人は今はいないの。
どんなに想っても、応えてはくれないわ。
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マヌエラ
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あたくしなら、あなたの想いに、
この生身の体で応えてあげられるけれど……