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バルタザール
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あん? ……はっ! この音、
この手応え……か、金じゃあねえかああ!
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バルタザール
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しかもこの量! 尋常じゃねえぞ。
まさかついに帝国軍の資金にまで手を……
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バルタザール
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しかもこの量! 尋常じゃねえぞ!
まさかついに教団の宝物庫に手を……
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ユーリス
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阿呆抜かすな。
礼だ。たいした額じゃねえよ。
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バルタザール
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たいした額だろうがよ。何の礼か知らんが
身に覚えのねえ金は受け取れねえな。
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ユーリス
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黙って受け取れって。
こいつは礼というか、情報料だ。
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ユーリス
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いつかお前に聞いた、母親の故郷の話……
俺にとっては、凄え価値があるもんだった。
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ユーリス
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どうしてもお前が要らねえってんなら、
母親に良いもんでも食わせてやりな。
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バルタザール
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……仕方ねえな。なら、これは
おれの母のために使わせてもらう。
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バルタザール
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けど、答えは出ねえんじゃなかったのか?
何かわかったのか?
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ユーリス
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いや……生憎そこは変わってねえんだがな。
それでも、けじめになったというか。
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ユーリス
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自分が何者かなんて、
辛気臭えことを考えるのはやめだ。
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ユーリス
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悪いが、俺はこういうやり方しか知らねえ。
金じゃねえなら、何を用意すりゃあいい?
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ユーリス
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んだよ、人の顔見て
でけえ溜め息つきやがって。
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バルタザール
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いや……お前はおれと違って頭が回るのに、
こういうところは馬鹿なんだよなあ……。
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バルタザール
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いいか、おれは確かに金が好きだ。
ついでに言うと、女も喧嘩も大好きだ。
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バルタザール
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……だが、それよりも好きなもんがある。
何だかわかるか?
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バルタザール
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おれを何だと思ってんだ、お前は!
……戦友だ。共に戦う、信頼できる輩さ。
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ユーリス
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戦友、ねえ……。
いま一つ、しっくり来ねえんだが。
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バルタザール
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お前の周囲にいるのは、部下だの
取引相手だのばかりだもんな。
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バルタザール
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いいか、戦友に貸し借りはねえ。
上下関係も、信用も必要ねえんだ。
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バルタザール
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戦場じゃあ命を預け合って共に生き残り、
喜びも苦悩も、何だって分かち合う。
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ユーリス
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……ははっ、だから、戦友の悩みを
解決したことに礼もいらねえと?
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バルタザール
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ああ。慣れねえか? 弱みの握り合いや騙し
合いばかりの世界で生きてきたお前にはよ。
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ユーリス
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慣れねえっつーか、何つーか……
逆に聞きてえよ。いいのか、バルタザール。
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ユーリス
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俺みてえな……そう、自分の本当の名前さえ
明かさねえ奴を「戦友」と呼んじまってよ。
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バルタザール
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そんなの関係ねえよ。お前が何者だろうと、
好きだってことに変わりはねえんだぜ。
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ユーリス
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……あっははははは!
ずっと思ってたがお前、ほんと最高だな!
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バルタザール
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おいおい、笑うところか?
てめえの正直な気持ちを伝えただけだ。
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ユーリス
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いや悪い、これまで、好きだの愛してるだの
聞き飽きるほど言われてきたが……
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ユーリス
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こんなに色気のねえ言われ方ってのは
初めてで、つい、おかしくてよ。
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ユーリス
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いいや……悪くねえ。
戦友、戦友か。気に入ったぜ、俺は。
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ユーリス
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つーことで……
これからもよろしく頼むぜ、戦友!