link
コンスタンツェ
volume_up
……ユーリス、貴方、いつぞやの夜中
貴族に会っていたと言っていましたわよね?
link
コンスタンツェ
volume_up
とぼけても無駄ですわよ。先日、外務卿の
ゲルズ公から支援の申し出がありましたの。
link
コンスタンツェ
volume_up
とぼけても無駄ですわよ。先日、
カロン伯から支援の申し出がありましたの。
link
ユーリス
volume_up
ほーん、よかったじゃねえか。
これでお家再興の夢に一歩近づいたな。
link
コンスタンツェ
volume_up
……いいえ、答えは保留しましたわ。
その前に確認すべきことがありましたの。
link
コンスタンツェ
volume_up
……は? は私の台詞ですわよ!
この話、絵を描いたのは貴方なのでしょう?
link
コンスタンツェ
volume_up
さあ、答えなさい! 嘘をついても
つかなくても、消し飛ばしますわよ!
link
ユーリス
volume_up
……まああの晩、貴族との商談というか、
そういう感じのことは、しましたけどね。
link
コンスタンツェ
volume_up
い、今の私が貴方に払える対価なんて
ありませんのよ? わかっていて?
link
ユーリス
volume_up
わかった上で、俺は、俺の欲しいものを
手に入れるために働いた。それだけだ。
link
ユーリス
volume_up
ああ。俺はな、俺の欲しいものは
金も、地位も、何だって手に入れてきた。
link
ユーリス
volume_up
それが“人食い燕”の流儀だ。生まれて
この方、俺はずっとそうやって生きてきた。
link
コンスタンツェ
volume_up
それと今回の件と何の関係が……ってほら!
やはり貴方が私の睨んだとおり“人食……
link
ユーリス
volume_up
……で、俺様はお前の家が欲しくなった。
お前が再興した、新しいヌーヴェル家がな。
link
ユーリス
volume_up
“人食い燕”の帰る場所は、暗い裏通りだ。
俺が俺である限り、そいつは変えられない。
link
ユーリス
volume_up
だが、たとえ一時でも、裏通りを出て
ユーリスとして生きるなら……
link
ユーリス
volume_up
そこにも、帰る場所が欲しい。俺が元いた
ローベの家よりも、居心地のいい場所がな。
link
ユーリス
volume_up
俺がお前を貴族に戻してやる。
求める対価は一つだ。
link
ユーリス
volume_up
お前の興したヌーヴェル家に、
俺の帰る場所を寄越せ。
link
コンスタンツェ
volume_up
……そ、それはつまり貴方がヌーヴェル家の
人間になるということ!? どうやって!?
link
ユーリス
volume_up
俺とお前が結婚するんだよ。
そいつが一番手っ取り早くて収まりもいい。
link
ユーリス
volume_up
おう、悪くねえ取引だと思うけどな。
嫌か?
link
コンスタンツェ
volume_up
嫌? べ、べべべ別に、貴方のことは、
き、嫌いとかそういうのではありませんわ!
link
コンスタンツェ
volume_up
むしろいつも私の手足となって働いて……
少し、いえかなり、口は悪いですけれど……
link
ユーリス
volume_up
ははは、いやー困ったな、やっぱり嫌かー。
盗賊風情が旦那じゃ、お嬢様は嫌だよなー。
link
コンスタンツェ
volume_up
いいい嫌とは言っていないでしょう!?
ただその、順序! そう、まだ肝心の家が!
link
ユーリス
volume_up
順序? 面倒くせえなあ。
じゃ、しばらくは愛人ってことで……
link
ユーリス
volume_up
からかってねえよ。お前と一緒にいれば、
死ぬまで退屈せずに済みそうだと思って。
link
コンスタンツェ
volume_up
わっ、私は貴方とずっと一緒にいたら、
心臓が持ちそうにありませんわー!!
link
ユーリス
volume_up
そういうところが面白くて、
一緒にいたいって言ってんのになあ。