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ディミトリ
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先生もここにいたとは、ちょうど良かった。
お前にも一緒に聞いてほしい。
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ディミトリ
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ドゥドゥーには先ほど伝えたが、
王国西部、ダスカー地方で反乱が起きた。
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ドゥドゥー
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ダスカーはおれの故郷だ。
王国の西北端、山を越えた先にある。
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ドゥドゥー
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……ダスカーの民の末路は、
お前も知ってのとおりだ。
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ドゥドゥー
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……だが今、おれたちダスカーの民は、
ダスカー地方で暮らしているわけではない。
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ドゥドゥー
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ダスカーは王国軍の手で焼き払われ、
そこに住む人々も、皆、虐殺された。
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ドゥドゥー
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空白地となったダスカー地方は、
王国貴族の領地となったが……
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ドゥドゥー
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おれのように、こうして今も
ダスカーの外で生き延びている者はいる。
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ドゥドゥー
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今回の反乱は、ダスカーの生き残りが
故郷を取り戻すべく、企てたのだろう。
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ディミトリ
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ダスカーを治めるクレイマン子爵から、
王都ならびに教団へ、救援要請があった。
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ディミトリ
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ひとまず、ダスカー近隣の諸侯の軍が
鎮圧に向かうことになったが……。
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ディミトリ
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いや……兵力にも練度にも問題はない。
むしろ……殺し過ぎることのほうが心配だ。
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ディミトリ
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そもそも王国軍には、ダスカーの民を
仇と信じ、憎んでいる者も少なくないし……
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ディミトリ
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あえて彼らを討たないのが、政治的な価値を
持つかと言われると、そうとも言えない。
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ディミトリ
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王国軍とダスカーの反乱軍が衝突すれば、
まず間違いなく反乱軍は壊滅するだろう。
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ディミトリ
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……いや。
反乱軍の壊滅で済めば、良いほうだな。
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ディミトリ
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……それで、だ。
今しがた教団から許可をもらってきた。
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ディミトリ
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教団から派遣される兵の中に、俺たちの
学級を加えてもらえるよう頼んだんだ。
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ディミトリ
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まあ待て……俺たちにも、士官学校の
生徒としての務めが残っているだろう。
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ディミトリ
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行くか行かないかを判断するのは、
あくまでも先生だ。……どうする?
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ディミトリ
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俺からも礼を言おう、先生。
……早速、皆に声をかけてこよう。
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ディミトリ
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急な話だったから、仕方がないな。
だが……事の性質上、そう長くは待てない。