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ローレンツ
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先生、アケロンの件では
手を煩わせて済まなかった。
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ローレンツ
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おかげで、同盟内の紛争の芽を一つ、
早めに摘むことができた。
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ローレンツ
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もう二度と領界を侵さないと、
父に誓紙を送ってきたそうだ。
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ローレンツ
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まあ、そんな紙切れを
律儀に守るような男ではないが……
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ローレンツ
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アケロンは他の同盟諸侯や、帝国貴族にも
広く繋がりを持っているのでな。
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ローレンツ
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下手に潰せば、また要らぬ紛争を生む。
当面は様子を見るしかなかろう。
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ローレンツ
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ああ。いずれは潰すつもりだがな。
あんな男、同盟にとっては害でしかない。
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ローレンツ
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……ところで、今回の一件で
実は得る物もあったのだ。
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ローレンツ
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魔杖テュルソス……
グロスタール家に伝わる英雄の遺産だ。
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ローレンツ
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アケロンに手際よく対処できたことで、
父も僕の力量を認めてくれたようだ。
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ローレンツ
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まあ、父は前々から、この遺産を
僕に譲ろうと考えていたらしいが。
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ローレンツ
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最近は父が自ら戦場に立つような機会は、
ほとんどなかったからな。
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ローレンツ
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この遺産を譲る代わりに、
僕をもっと働かせようって腹なんだろう。
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ローレンツ
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……だからと言って、僕としては
父の言いなりになるつもりはないがね。
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ローレンツ
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そんなことはないが……父はあくまで
グロスタール家の利を考えて動く人だ。
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ローレンツ
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だが、僕としては同盟全体、フォドラ全体を
考えて自分の行動を決めたいと思っている。
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ローレンツ
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それでこそ僕が理想とする貴族像に
近づけると、信じているのでね。
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ローレンツ
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そうだ……この遺産、魔杖テュルソスを
どう使うか、先生に任せてもいいか?
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ローレンツ
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先生が最良だと思う使い方であれば、
それがフォドラの利に繋がるはずだ。
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ローレンツ
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ははは、正直に言えば、僕一人で
英雄の遺産を管理するのは、荷が重くてね。
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ローレンツ
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頼んだぞ、先生。
礼に、最高の紅茶をご馳走しよう。