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アルファルド
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ええ、もちろん構いませんよ。
私が知っていることであれば、何でも。
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アルファルド
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……と言っても、何から語ったものか。
聞きたいことがあるなら、お答えしますが。
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アルファルド
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彼女は……優しく、とても聡明な人でした。
書庫で本を読む背中を、よく覚えています。
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アルファルド
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あの方は……今と、さして変わりませんね。
いつも部下の方々を振り回していましたよ。
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アルファルド
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任務の合間を縫って、修道院に暮らす子供に
武芸や用兵を指南していらしたものです。
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アルファルド
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私も、君の母君も、そんなあの方に
憧れた子供の一人だった……。
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アルファルド
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あの方は……今と、さして変わりませんね。
いつも部下の方々を振り回していましたよ。
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アルファルド
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任務の合間を縫って、修道院に暮らす子供に
武芸や用兵を指南していらしたものです。
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アルファルド
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私も、君の母君も、そんなあの方に
憧れた子供の一人だった……。
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アルファルド
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彼女は……優しく、とても聡明な人でした。
書庫で本を読む背中を、よく覚えています。
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アルファルド
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ジェラルト殿とシトリー……君の母君が
婚約すると聞いた時は、驚いたものです。
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アルファルド
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何しろ私たちにとってジェラルト殿は、
いわば、師のようなものでしたから。
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アルファルド
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……シトリーは、表情の乏しい女性でした。
感情が表に出にくいと言うべきでしょうか。
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アルファルド
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ですが、ジェラルト殿の前でだけは、
太陽のように明るく微笑んでいたものです。
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アルファルド
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彼の語る、外の世界の話は……病弱だった
彼女にとっての、救いだったのでしょうね。
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アルファルド
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ええ。彼女は体が弱く、大修道院の外に
出たことは一度もなかったはずです。
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アルファルド
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大修道院という閉ざされた世界の中で、
限られた人々としか関係を持てなかった。
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アルファルド
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だから、どんな物語を語って聞かせるよりも
ジェラルト殿の瑞々しい言葉こそが……
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アルファルド
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……私ではとても、
ジェラルト殿のようにはなれませんでした。
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アルファルド
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え……ええ。100年も昔の出来事を、
見てきたかのように語るなど……
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アルファルド
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物語を熟読しても、歴史を正確に紐解いても
簡単にできることではありませんからね。
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アルファルド
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……君は、ジェラルト殿と共に旅をして
多くのものを見てきたのでしょう?
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アルファルド
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思うのですが……君は彼と共に、傭兵として
旅を続けるべきだったのではありませんか。
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アルファルド
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……君がそう割り切れるのであれば、
私が異を唱える余地はなさそうですね。
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アルファルド
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ふふ……そうですか。それならば、
私は君を応援することしかできませんね。
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アルファルド
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きっと、教師という立場でのみ
見える世界というのもあるのでしょう。
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アルファルド
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こんなことを言うのも、
君にとっては迷惑かもしれませんが……
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アルファルド
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君にはこれからも多くのものを見て、多くの
人々と温かな関係を築いてほしいのです。
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アルファルド
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広い世界を見たいと願い、そしてその願いを
叶えられなかったシトリーの分まで。
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だから自分を灰狼の学級の教師に?
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アルファルド
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……ええ。あくまでも私の独断ですが。
猊下はこの件を良く思われないでしょうし。
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アルファルド
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ベレト、君ならば立派に
子供たちを導いてくれると信じています。
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アルファルド
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そして同時に、君にとっても、
大きな成長の機会になる、とも。
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アルファルド
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何かあったら気兼ねなく相談してください。
私は、いつでも君の味方ですから。