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アルファルド
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ええ、間に合ってよかった。
私も皆さんの役に立てたでしょうか。
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バルタザール
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助かったよ、アルファルドさん。
情報が必要だったからな。
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アルファルド
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私はアルファルド。教団から、
アビスの管理を任されている者です。
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アルファルド
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はい。と言っても、
私自身は一介の修道士にすぎませんが……。
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アルファルド
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アビスに生きる者たちは皆、それぞれの
事情を抱え、地上で生きることに難がある。
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アルファルド
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病や貧困のために地下での暮らしを
余儀なくされた者など……。
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アルファルド
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行き場所のない人々の居場所を作る、
というのが私の務めだと思っております。
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クロード
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居場所がこんな日の当たらないところで、
病や貧困から抜け出せるかね……。
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ディミトリ
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やめろ、クロード。
アルファルド殿、気にせずお話しください。
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アルファルド
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実を言えば……彼らにも、もっと
良い生活を送らせてやりたいのですが。
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アルファルド
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猊下も教団も、アビスの存在そのものを
煙たがっているようですし……
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アルファルド
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……はい。近頃は教団の中でも、アビスの
浄化を謳う者たちが増えつつあります。
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アルファルド
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そうでしょうか……。近頃は、教団の中でも
アビスの浄化を謳う者の話を耳にします。
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ハピ
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教団なんてそんなもんじゃん。
いくら弱者の救済を掲げててもさ。
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バルタザール
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おれだって、賞金稼ぎ相手に派手に
やり過ぎて匿ってもらってる身だし……
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バルタザール
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ハピも即、首に関わんだろ?
教団の勝手にはさせておけねえよ。
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コンスタンツェ
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そうですわ! アビスの皆のためにも、
私たちはアルファルド様に味方しますとも!
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アルファルド
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……ありがとう。君たちにそう言って
もらえると、報われるような気持ちです。
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アルファルド
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灰狼の学級は、学級とは名ばかり……
担任を持たぬ元生徒たちの集まりです。
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アルファルド
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そんな彼らを、君が教師として
導いてやってほしいのです。
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アルファルド
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無論、君にも本来の職務があるでしょうし、
暇を見て、で構いませんので。
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ユーリス
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待ってくれ、アルファルドさん。
そりゃ無茶な話ってもんじゃありませんか。
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コンスタンツェ
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そうですわ。それに、私たちには
アルファルド様がいるではありませんか。
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アルファルド
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私は庇護者……守ることはできますが、
教え導く教師ではありません。
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アルファルド
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学級、という看板を掲げておきながら、
情けないと常々思っていたのです。
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アルファルド
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ベレト先生の噂は、
地上でも何度となく耳にしていました。
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アルファルド
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とても信頼のおける教師だと……それに、
私はこの方の父君とも面識がありましてね。
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アルファルド
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私はガルグ=マクで生まれ育ちましたから、
あの方には、よく遊んでもらったものです。
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アルファルド
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君の母君とも……昔馴染みでした。
ふふっ、婚儀にも立ち会ったのですよ。
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アルファルド
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そんなジェラルト殿の血を引く君ならば、
見事に彼らを導いてくれると思うのです。
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ユーリス
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そこまで言うならいいんじゃねえの。
どうせ協力は頼んでたんだしよ。
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ユーリス
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ああ、それよりアルファルドさん。
賊の護送、同行しなくていいんですか?
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アルファルド
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おっと……そうでしたね。
それでは、私は一度退散しましょう。
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アルファルド
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もしご両親の話が気になるようであれば、
いくらでも私が聞かせて差し上げましょう。