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アッシュ
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シルヴァン、話があるんです。
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シルヴァン
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おう、何だ、アッシュ。 女の子の口説き方を知りたいって?
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アッシュ
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……それはもういいです。
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アッシュ
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この間の戦いで僕を助けてくれましたよね。 そのお礼を言いたくて。
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シルヴァン
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ははは、何だお前、そんなことかよ! 別に、そんなかしこまらなくてもいいだろ。
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アッシュ
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い、いえっ、かしこまります! 君の助けがなかったらと思うと……
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アッシュ
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シルヴァン。僕ももっと研鑽を重ねて、 仲間の危機を救えるように……
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シルヴァン
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……ほんっとお前って、真面目だよなあ。 いや、馬鹿真面目ってほうが正しいかな。
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シルヴァン
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本当にもう、あの殿下やイングリットさえ 可愛らしく見えてくるくらい堅物だ。
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シルヴァン
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俺は、俺の意思に従っただけさ。 堅苦しい礼なんて求めちゃあいないんだぜ。
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シルヴァン
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困ってる奴がいたら助ける。 それが騎士、いや、人間ってもんだろ?
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シルヴァン
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たとえ相手が可愛い女の子であろうと、 むさ苦しい大男であろうと、同じことさ。
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アッシュ
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それって、つまりは……。
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シルヴァン
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俺はいつだって、一人の人間として 当然のことをしてるだけなんだよ。
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アッシュ
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………………!
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シルヴァン
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おいおい、そんな顔しやがって。 俺に惚れでもしちまったのか? 生憎……
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アッシュ
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何を見当違いなこと言ってるんですか。 ……ちょっと、驚いただけです。
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アッシュ
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僕が思っていたより、 シルヴァンは良い人なのかも……って。
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シルヴァン
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まあ、お前の中の俺がどんなだったかは、 想像に難くないけどさあ……。
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アッシュ
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あ、すみません。別に、 悪い意味で言ったつもりじゃなくって……
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アッシュ
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人間として当然のことを、当然だと 言い切れる君はすごいって思うんです。
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アッシュ
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見返りも求めず、誰かを助ける……。 それって、意外と難しいことですから。
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シルヴァン
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はは、面と向かって言われると なかなか恥ずかしいもんだなあ……。
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シルヴァン
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お前みたいに素直で真っ直ぐな奴は、 きっと立派な騎士になるんだろうさ。
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シルヴァン
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……だが、一つだけ忠告しとく。 お前さ、汚い大人に騙されるなよ?
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アッシュ
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え。
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シルヴァン
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ははは。俺は礼は要らないと言ったが、 見返りを求めないとは言ってないぜ。
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シルヴァン
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……いやあ、実はさ、ついさっき、 女の子と揉めちまってさあ!
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シルヴァン
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ちょっとお前の部屋に匿ってくれないか? なあ、頼むよ、アッシュ。
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アッシュ
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……シルヴァン。
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シルヴァン
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ご、後生だから……ほら。 困ってる男を助けると思って。な!
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アッシュ
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……まったく、今回だけですよ。 君には助けてもらいましたからね。
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シルヴァン
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よーし! 流石はアッシュだ! お前、やっぱり立派な騎士になるぜ!
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アッシュ
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……この軽薄さと女癖の悪さがなければ、 かっこいいんだけどなあ、この人。