link
ドロテア
volume_up
ハンネマン先生、
ちょっと話してもいいです?
link
ドロテア
volume_up
ハンネマン先生が元貴族だって話を聞いて、
興味を持ったんです。ふふっ。
link
ハンネマン
volume_up
我輩に興味、か。
確かにかつては貴族だったが、それが何か?
link
ドロテア
volume_up
いえ……ハンネマン先生って普段の言動は
まさに貴族って感じでしょう?
link
ドロテア
volume_up
身なりをきちんと整え、礼節を弁え、
喋り方も格式高く、誇りを持って行動する。
link
ドロテア
volume_up
それなのに、貴族という身分を捨ててる
なんて、面白いなあと思って。
link
ハンネマン
volume_up
なるほど……それはつまり、
我輩の心はまだ貴族ということだな。
link
ハンネマン
volume_up
うむ。そもそも貴族とは本来、
「知る者」を意味する。
link
ハンネマン
volume_up
多くを知り、新たな識を得て、
人々を導き守る者……それが貴族なのだ。
link
ハンネマン
volume_up
平民との間に太い境界線を引いて、
身分として区別するようなものではない。
link
ハンネマン
volume_up
我輩は紋章学を志し、本来の貴族としての
務めを果たさんとしている。
link
ハンネマン
volume_up
つまり、帝国での身分は捨てたが、
貴族であるという心は失ってはおらん。
link
ドロテア
volume_up
知る者……確かにそういう意味では、
ハンネマン先生は貴族なんですね。
link
ドロテア
volume_up
地位にこだわらず、立派な志だけを持つ、
貴族……それってすごく、素敵じゃない?
link
ドロテア
volume_up
ふふふっ、何でもありません。
貴方の言葉に、じんときてただけです。
link
ハンネマン
volume_up
そうか。うむ、そう言ってもらえると、
我輩としても嬉しいぞ。