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ヒルダ
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あっ、いたいた。
フェルディナントくーん。
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ヒルダ
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……ひっどーい。
そういう態度、女の子に対して失礼よ。
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ヒルダ
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だからー、そのお詫びにー、
また紅茶を淹れてほしいなー。
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フェルディナント
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以前、君には紅茶の淹れ方を教えただろう?
自分でできることは、自分でやりたまえ。
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ヒルダ
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うーん、教えてはもらったけど、やっぱり
あなたみたいには淹れられないと思うの。
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ヒルダ
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まず茶葉の選び方が上手だったでしょー?
ちゃんと気温や湿度を考えて選んでたよね。
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ヒルダ
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茶器も、あたしが気に入りそうなものを
さりげなく選んでくれてたしー。
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ヒルダ
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淹れる時だってー、温度、時間、注ぎ方、
どれも完璧で非の打ちどころがなかったよ。
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ヒルダ
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ううん、全然詳しくないよー? あなたの
やり方を見ていて何となく感じただけー。
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ヒルダ
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器の持ち方も優雅だし、注ぐ音まで上品で、
五感まるごと癒やされちゃったー。
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ヒルダ
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ふーん、そうなんだー。
でも、本当に伝えたいのは、ここから。
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ヒルダ
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フェルディナントくんの紅茶にはねー、
飲む人への愛があるって思ったの。
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ヒルダ
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美味しく味わってもらいたいっていう真心。
あたし、飲んだ瞬間に感じたんだー。
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フェルディナント
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だが、正直驚いたな。紅茶に対する
こだわりなど、気に留めない者も多いから。
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フェルディナント
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……君にそこまで感動されては仕方がない。
もう一杯だけ、淹れてやるとしよう。
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ヒルダ
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本当?
やったー、ありがとうー!
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ヒルダ
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ふふっ、フェルディナントくんって単純。
でも、本当に優しいんだなー。