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ドロテア
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リンくん。私に何か……
もしかして、食事のお誘いかしら?
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リンハルト
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いや、それもあるけど……
君に言わなきゃならないことがあって。
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リンハルト
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僕は前に、逃げてばかりの人生も良いって
君に伝えたと思うけど……
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リンハルト
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実を言うと、僕は不安に感じてることが
一つだけあるんだ。
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リンハルト
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逃げ続けた結果、いつか逃げる場所が
なくなる可能性があるんじゃないかって。
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リンハルト
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僕は嫌なことは全部避けちゃうから、
苦手なものは減らないし……
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リンハルト
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痛みにも慣れない。
そういう意味では、強くもならない。
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リンハルト
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それだけ。
でもたまにすごく不安になる夜もある。
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ドロテア
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ふふっ、ふふふふっ。
何だ、そんなことだったの。
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ドロテア
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そんなの我慢してたって同じでしょ?
いつ限界が来るか、不安になる夜ばかりよ。
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ドロテア
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でも、ありがとう。
リンくんの本音が初めて聞けた気がした。
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リンハルト
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初めてって……。
僕が口にすることは、全部本音だよ。
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ドロテア
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私は頑張ってる、立派な女の子だと思う……
ってやつ。本当?
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ドロテア
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そうなのね。
慰めの言葉かと思っていたわ。
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ドロテア
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ふふふ……リンくんは
私のことをそんなふうに見てたんだ。
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ドロテア
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あはははっ! おかしいわ。
リンくんって、本当におかしい。
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ドロテア
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生き方も何も、私とは真逆ね。
笑ったらお腹が空いてきちゃった。
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リンハルト
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あ、そういえば、
僕は君を食事に誘いに来たんだけど……
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リンハルト
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……最初に君に聞かれた時に、
それもあるけど、って言ったよ?
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リンハルト
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まあいいや。
食堂でいいよね? 街に出るのは面倒だし。
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ドロテア
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ま、いいか。貴方の楽な生き方に、
ご一緒させてもらおうかしら。