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ドロテア
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そんな言い方しないで。
ごめんなさい、私が悪かったわ。
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ドロテア
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あの時は陰口のことで余裕がなくて……
リンくん、許してくれるかしら。
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リンハルト
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いいけど、何を許すの?
別に許すようなことされた覚えがないよ。
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ドロテア
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……そ、それならそれでいいけど、
とにかくありがとう。
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ドロテア
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ええと、陰口のこと?
全然……良かったら話を聞いてくれます?
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ドロテア
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私、あの兵士たちに言われたこと、
自分でも思ってるんです。
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ドロテア
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私は自分のために、貴族に取り入って、
学校に来た。孤児だった私が、よ。
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ドロテア
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周りは貴族やお金持ちの生徒ばかり。
どう考えても場違いでしょ?
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ドロテア
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それがいつの間にか兵を率いるようになって
先生の指揮で戦う将に……分不相応でしょ?
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ドロテア
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もちろん私は自分のために頑張ってるけど、
本当にそれでいいのか悩む時も……。
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リンハルト
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ふーん、ドロテアってさ、何でも
向き合わなきゃいけないって思ってない?
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リンハルト
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過去が悩みなら過去なんて捨てちゃえば
いいんだよ。向き合う必要ないって。
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ドロテア
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でも、自分の過去よ?
そんな捨てるなんて……
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リンハルト
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君はきっと、これまでつらいことも
たくさん乗り越えてきたんだろう。
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リンハルト
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それはすごいと思うけど、痛みを避ける、
苦しみを捨てる、つらさから逃げる……
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リンハルト
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そういう生き方だって悪くない。
僕は、そう思うよ。
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ドロテア
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でも逃げたら……、
これまで頑張ってきたことが無駄に……
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リンハルト
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そうかな。少なくとも、
今の君は変わらずここにいるでしょ。
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リンハルト
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誰に後ろ指をさされることもない、
立派な女の子が、僕の目の前にはいるよ。
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リンハルト
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まあ、たとえ仕事を放置して昼寝してたって
君は君だと思うけど。
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ドロテア
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ふふっ。その喩えはよくわからないけど……
貴方が羨ましいわ。
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ドロテア
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私にはできない生き方をしてる
気がするもの。