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マリアンヌ
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ハ、ハンネマン先生……?
はい、終わりましたが……。
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ハンネマン
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決められた訓練だけを、ただこなしている。
そのように見えたが、間違っているかね?
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ハンネマン
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いや、勘違いしないでくれたまえ。
我輩は君に説教をしに来たのではないのだ。
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ハンネマン
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君が士官学校に入る際、君の父君から
修道院に申し入れがあったそうだ。
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ハンネマン
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紋章の確認は絶対にしてくれるな、と……。
多額の寄進と共にね。
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ハンネマン
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我輩は当初、君が「紋章を宿していない」
ことを世間に知られたくないのだと思った。
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ハンネマン
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新興貴族である君の父君の立場を考えれば、
紋章持ちであるほうが都合がいいからな。
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ハンネマン
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だが、実際に君を見てすぐにわかったよ。
君が何らかの紋章を宿しているとね。
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ハンネマン
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我輩はこれでも“紋章学の父”などと
呼ばれていてね。
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ハンネマン
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その体に紋章が宿っているかどうかなど、
少し観察すれば判断できる。
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ハンネマン
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故に……我輩は、一紋章学者として
君に忠告に来たのだ。
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ハンネマン
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いいか、マリアンヌ君。紋章を持つ以上は、
何らかの才能が保証されていることになる。
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ハンネマン
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ならば己が持てる才能を存分に発揮し、
もっと研鑽を積むべきではないかね?
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ハンネマン
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いや、ある。いくら隠そうとも、
我輩の目は節穴ではないのだよ。
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ハンネマン
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力ある者は、世のため人のために
正しくその力を行使せねばならん。
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ハンネマン
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そもそも、折角の才能を、
眠らせておくなど、もったいないことだ。
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ハンネマン
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我輩ならば、君に適切な助言ができる。
どうだ、紋章を調べさせてはくれんかね?