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セテス
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いや、そうじゃないんだ。
少し話をしようと思って来たのだ。
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セテス
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ああ。君は大司教のために働けるのなら
それだけで幸せだと言ったな。
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セテス
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本当にそうだろうか。君にとっての幸せが
他にあると考えたことはないのか?
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ツィリル
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いえ。レアさまへの恩返ししか、
ボクがやりたいことはないから。
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ツィリル
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レアさまは今、ここにいませんけど……
ボクの仕事は全部、レアさまのためです。
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セテス
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なるほど。
だが、恩返しが終わったらどうするんだ?
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セテス
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ふむ……徹底しているな。君のその生き方は
今の世に欠けている美徳とも言えるだろう。
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セテス
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私も大司教には大恩があり、その恩に
報いることが、ここにいる理由の一つだ。
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セテス
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そう。あくまで一つ、だ。
私にとって、それがすべてではない。
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セテス
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私には私の目的がある。こことは別の場所で
その目的が叶うなら、私はここにいない。
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セテス
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私は大司教と目的を共有することができた。
だからこそ、私はここに留まっているのだ。
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セテス
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……恩返し自体は素晴らしいことだが、
それに終始すべきではないと、私は思う。
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セテス
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恩返しとは過去の清算に過ぎない。
君は未来への貯えをもっと考えるべきだ。
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セテス
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君が望む未来はどんな世界だ?
そのために今、君にやれることはないのか?
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セテス
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君の未来を豊かにするために、
いま一度、考えてみてほしい。
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ツィリル
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……セテスさんの話は、難しくて
ボクにはよくわかりません。
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ツィリル
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ボクは、レアさまが見つけてくれたことで、
初めて自分の生きる意味を持ったんです。
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セテス
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はは、悩ませてすまない。
ただ、君を見ているともどかしいのだ。
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セテス
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あらゆる可能性から
目を背けているようにすら見えてな。
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セテス
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心に留めておいてくれれば、それでいい。
焦る必要は何もないのだから。