鷲獅子の野

エーデルさん、どう？ 後でまた、書庫に……あ、先生！

何か用かしら。 今は少し忙しいのだけれど。

ごめんね、エーデルさんに いろいろ聞いてるんだ。

あたし、去年は卒業できなかったから、 今年、改めてちゃんと卒業したいの。

エーデルさん、どう？ 後でまた、書庫に……あ、先生！

何か用かしら。 今は少し忙しいのだけれど。

ごめんね、エーデルさんに いろいろ聞いてるんだ。

あたし、去年は卒業できなかったから、 今年、改めてちゃんと卒業したいの。

フレンと、それから……モニカと言ったか？ 無事に助け出せて、本当に安心したよ。

鷲獅子戦の名は、王国が帝国からの独立を 勝ち取った戦いにちなんだものだ。

青き獅子の名に恥じぬ戦いをしなければな。 先生、今節もよろしく頼む。

しかし、この時期に釣り大会とはなあ……。 参加するのはいいが、気を抜きすぎるなよ。

……え、俺？　いや、参加しないでおく。 竿を壊すさまが容易に想像できるから……。

鷲獅子戦の名は、王国が帝国からの独立を 勝ち取った戦いにちなんだものだ。

青き獅子の名に恥じぬ戦いをしなければな。 先生、今節もよろしく頼む。

わざわざ帝国領まで出向いての模擬戦だ。 褒賞も出るって話だし、勝ちたいもんだな。

他のみんなも張り切ってるようだし、 頼んだぜ、先生。

堅物のセテスさんが釣り大会を始めたって？ あの人、前節は死にそうな顔してたのにな。

わざわざ帝国領まで出向いての模擬戦だ。 褒賞も出るって話だし、勝ちたいもんだな。

他のみんなも張り切ってるようだし、 頼んだぜ、先生。

グロンダーズ鷲獅子戦は、 王国、同盟、帝国の三つ巴戦。

他の学級よりも良い結果を出すと、何やら 大司教殿から褒賞がもらえるそうですよ。

くくく……そうですか。 予想どおりの答えですよ。

かつては王国領も、同盟領も、 すべて帝国の支配するところだった。

ところが内乱により北半分が王国となり、 王国は東西に分裂し、東側が同盟に……

今でこそ三つ巴の関係になっているが、 千年前のフォドラは一つだったのだ。

帝国貴族の中には、その最大版図の復活を 夢見る者もいる……。

眠いですねえ。 毎節毎節、思ったより働かされてますよ。

もう少し、社会的な猶予を与えられる 期間なのかなとか僕は思ってたんですけど。

先生は、釣りやんねえのか？ オレは全力で引いてるぜ！

よっしゃ、先生も参加だな！ なら勝負だ、勝負！

オレが釣ったこの魚！ この種類の魚で、大きさの勝負をしようぜ！

釣れたのか？ よっしゃあ、見せてくれ！

はっはっは、オレの勝ちだな！ まだまだだぜ、先生。

釣れたのか？ よっしゃあ、見せてくれ！

負けたあああ！ くそおっ、流石は先生だぜ！

負けたあああ！ くそおっ、流石は先生だぜ！

凄え突然の大会だったが、 なかなかの盛り上がりだったな！

先生、知ってます？

グロンダーズって帝国はベルグリーズ伯領に あるんですけど……

あたしの実家、ヴァーリの領地の 隣なんですよ！

もし仮に万が一、両親が見に来たりでも したら……ひいっ！　まずいです！

釣りね……。 ちょっと前に挑戦したんですけど……

釣り上げた魚から体当たりを食らったのよ。 尾びれで頬をぶたれちゃった……。

だから、しばらく釣りはいいんです。 そんなことより。

鷲獅子戦、いよいよですねえ。 先生、自信のほどは？

鷲獅子戦、いよいよですねえ。 先生、自信のほどは？

鷲獅子戦、いよいよですねえ。 先生、自信のほどは？

釣り……ブリギット、よく、しました。 わたし、負けません。

先生、挑戦する、しない、ですか？

先生、参加、嬉しいです。 折角です、わたし、勝負、望みます。

この魚、同じ種類、比べます。 大きいほう、勝ち、いいですか？

見せてください。 大きいほう、勝ち、です。比べます。

わたし、勝利です。 先生、小さい、魚、釣りました。

見せてください。 大きいほう、勝ち、です。比べます。

先生の魚、大きく、あります。 負けました。

先生の魚、大きく、あります。 負けました。

久々、楽しむ、でした。 先生、どうですか？

……鷲獅子戦が近いとはいえ、近頃殿下は 毎日夜更け過ぎまで訓練ばかりだ。

殿下は心配無用と仰るが、 おれには、どうにも心配でならん。

……何か用か。

釣り大会のおかげで厨房は魚の山だ。 調理が追いつかんほどの魚、魚、魚……。

名誉云々や褒賞に興味などはないが、 歯応えのある敵と戦えるならば別だ。

見る限り、戦い甲斐のある奴も 多少はいるようだからな。

例えば……お前のような相手と、な。

イングリットの奴は、子供の頃から 食事の話になると目の色が変わる……。

実は僕、釣りって結構得意なんですよ。 義兄さんが、よく連れていってくれました。

先生も挑戦してみたらどうですか？ 釣った魚は、食べてもいいそうですよ。

あっ、先生も参加することにしたんですね。 せっかくですから、勝負しませんか？

同じ種類の魚を釣って、 大きいのを釣ったほうが勝ちということで。

もう釣ってきたんですか？　流石ですね。 それじゃあ、早速比べてみましょうか。

……あ、僕の魚のほうが大きいみたいです。 えへへ、僕が勝っちゃいましたね。

もう釣ってきたんですか？　流石ですね。 それじゃあ、早速比べてみましょうか。

わわ、先生の釣った魚、凄いですよ！ これは僕の完敗ですね。

わわ、先生の釣った魚、凄いですよ！ これは僕の完敗ですね。

釣り大会、良い息抜きになりましたね。 ……さ、鷲獅子戦に切り替えていかないと！

のん気な催しもあるもんですね。 俺は魚より女の子を釣ったほうが楽し……

あ、あはは、だから冗談ですって。 それより今はグロンダーズ鷲獅子戦だ。

鷲獅子戦で活躍すれば、女の子の人気を 集めること間違いなしですよ、ねえ先生？

鷲獅子戦で活躍すれば、女の子の人気を 集めること間違いなしですよ、ねえ先生？

鷲獅子戦で活躍すれば、女の子の人気を 集めること間違いなしですよ、ねえ先生？

………………。

……あら～、ごめんなさい、先生。 ちょっと考え事をしていたの～。

死神騎士の正体……本当に、 イエリッツァ先生だったのかしら……。

グロンダーズ平原は帝国にあるんですよね？ どうやって行くんだろう。

修道院から帝国に入る道はないって 前に聞いた気がするんですけど……。

あ、もしかして同盟領を経由するのかな？ 東から、こう、ぐるーっと。

鷲獅子戦の直前に、こんな浮ついた催しに 参加するなど……本来ならば言語道断です。

……ですが、釣った魚は好きに食べていいと 言われましたので。すみません、つい……。

先生も参加されるのですか？　ならば、 折角ですし勝負といきましょう。

この魚を釣ってきたら、見せてください。 大きいほうが勝ちということで。

先生も釣れたようですね。 ふふ、では、いざ勝負と行きましょう。

……私の魚のほうが大きいですね。 今回の勝負は、私の勝ちのようです。

先生も釣れたようですね。 ふふ、では、いざ勝負と行きましょう。

先生の魚のほうが大きいようですね……。 悔しいですが私の負けです、先生。

先生の魚のほうが大きいようですね……。 悔しいですが私の負けです、先生。

さあ、今度は魚を食べる番ですよ、先生。 燻製、煮込み……ふふ、楽しみです。

先日、珍しく父から書簡が来たよ。 金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の勝利を祈っているとね。

父もかつて、ここの士官学校に在籍していて 鷲獅子戦では見事、勝利したそうだ。

いまだにそれが自慢らしくてね。 まあ、それだけ名誉なことなんだろうな。

先日、珍しく父から書簡が来たよ。 金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の勝利を祈っているとね。

父もかつて、ここの士官学校に在籍していて 鷲獅子戦では見事、勝利したそうだ。

いまだにそれが自慢らしくてね。 まあ、それだけ名誉なことなんだろうな。

父もかつて、ここの士官学校に在籍していて 鷲獅子戦では見事、勝利したそうだ。

いまだにそれが自慢らしくてね。 まあ、それだけ名誉なことなんだろうな。

おう、先生！ 釣り大会やってるのは聞いただろ？

参加者は、貯め池の魚を釣り放題なんだ！ たくさん釣れば、たらふく食えるぞお！

先生も釣り大会に参加したんだな！ よし、じゃあオデと勝負しねえかあ？

同じ種類で、大きさを比べるんだ！ オデ、負けねえぞお！

おお、もう釣れたのかあ？ オデのと大きさを比べるから、見せてくれ！

これなら、オデの勝ちだなあ！ オデの魚のほうが、でかくて美味そうだ！

おお、もう釣れたのかあ？ オデのと大きさを比べるから、見せてくれ！

うーん、オデの負けだな。 先生の魚のほうが、でかくて美味そうだ！

うーん、オデの負けだな。 先生の魚のほうが、でかくて美味そうだ！

もう釣り大会は終わったんだってなあ？ オデはこれから、釣った魚を食う大会だあ！

たまには心を無にして釣り糸を垂らすのも 良いものですよね。

どうせなら、どこか景色のいい川や湖で 楽しみたいところですけど……。

先生も釣り大会に参加するんですか？ じゃあ、ボクとも勝負してください！

この種類で、釣った魚が大きいほうが 勝ちということにしましょう。

あ、先生も釣れたんですね。 では早速、比べてみましょうか。

……あ、ボクの魚のほうが大きいですね！ 嬉しいな、先生に勝てるなんて光栄ですよ！

あ、先生も釣れたんですね。 では早速、比べてみましょうか。

あれ、ボクの負け……。釣りも上手なんて、 やっぱりすごいですね、先生は。

あれ、ボクの負け……。釣りも上手なんて、 やっぱりすごいですね、先生は。

釣り大会は終わりだそうですね。 あ、鷲獅子戦に向けて準備しなきゃ……！

何で、わざわざグロンダーズ平原に……。 無駄に遠くありませんか？

伝統だか何だか知りませんけど、 時間はかかるし疲れるし……迷惑ですよ。

……なんて、先生に言っても 仕方ありませんけどね。

先生、あの……鷲獅子戦は、 私も行かないと駄目でしょうか……？

自信はありませんが…… 頑張ってみます……。

あ、先生。モニカって子ですけどー。 何か変じゃありません？

長いこと監禁されてたはずなのに、 回復は早いし、妙に明るいし……

あの子、なぜかエーデルガルトちゃんに ベッタリなのも、なーんか、ね。

何が釣り大会だよ。 あいつら、鷲獅子戦に勝つ気あるのかね？

……先生はまさか、のんびり釣り大会に 参加してたりしないよなあ？

何が釣り大会だよ。 あいつら、鷲獅子戦に勝つ気あるのかね？

……先生はまさか、のんびり釣り大会に 参加してたりしないよなあ？

何が釣り大会だよ。 あいつら、鷲獅子戦に勝つ気あるのかね？

……先生はまさか、のんびり釣り大会に 参加してたりしないよなあ？

君に頼みがある……。

前節は、フレンを本当に恐ろしい目に 遭わせてしまった……。

その埋め合わせに、フレンの願いを 何でも叶えてやろうと思いついてな。

そこでフレンに聞いてみたところ、 美味しい魚を食べたいと言うのだ。

私は考えた……。 有志による大修道院釣り大会を開こうと！

大会についてはシャミアに一任してある。 君も奮って参加してくれたまえ。

君も釣り大会に参加してくれたそうだな。 忙しいところすまなかった、感謝する。

わたくし、お兄様にとっても美味しい お魚が食べたいって申し上げましたの。

そしたら、こんな大騒ぎに……。 申し訳ありませんわ。

あら、先生も参加してくださるの？ 嬉しくて飛び上がってしまいそうですわ。

わたくしが食べたいお魚…… 名前を忘れてしまいましたの。

なので、お魚が釣れましたら、 わたくしに見せてくださいます？

まあ、お魚をお持ちですのね！

……これです！　これですわ！ わたくしが食べたかったのはこのお魚です！

ああ……幸せですわ。 すぐに料理していただきましょう。

うーん、わたくしの求めるお魚を お持ちではありませんのね。残念ですわ。

……君も聞いたと思うが、フレン君の血は、 ただの血ではないそうだね。

こんな格別の研究対象がありながら、 触れることさえできんとは……！

ああ……セテス君の厳命さえなければ、 すぐにでも調べ尽くすのだが！

これでも腕に自信はあったのに、 刺されちゃうなんて不覚だわ。

しかも、相手は死神騎士でしょ？ 正体は本当にイエリッツァ先生なのかしら。

誰にしろ……この借りは返してあげるわ！ あたくし、怒ってるんだから！　あたくし！

やられっ放しでなんていられないわ！ あなたも手伝ってくれない？

セテス殿から聞きましたか？ 釣り大会を開くそうです。

前節は物々しい雰囲気でしたから、 こういった催しも、良いのかもしれません。

やはり、独り静かに釣るに限ります。

うおおおおお！ 絶対に釣ってみせるぞ！

しかし、なぜ１尾も釣れんのだ！？ おかしい……おかしすぎる！

やれやれ…… セテスもとんでもねえことを言い出すな。

フレンのために最高の魚を釣れ、とさ。 アタシ？　アタシはフレンの護衛だよ。

何だ、先生も参加すんのか？ だったら勝負しないか？

実はさっき釣った魚がある。同じ種類で、 これよりでかいのを釣ってみな。

おっ、釣ってきたか。 どれどれ……

残念、アタシの釣った魚のほうが、 大きいみたいだな。

おっ、釣ってきたか。 どれどれ……

やるじゃん、アタシの負けだよ！ これ、アンタにあげるぜ。

やるじゃん、アタシの負けだよ！ これ、アンタにあげるぜ。

ようやく終わったか……。 ま、楽しめたし、良しとしよう。

ようこそ、大修道院釣り大会へ。

……何だ、その顔は。 セテスから聞いていないのか？

フレンが望む魚を釣る。 それだけだ。

魚が釣れたら、フレンに見せるんだな。

大会は終わったぞ。

……お前が釣ったんだろ。 フレンも満足そうだ。

パルミラほどじゃないけど、 フォドラも広いよね……。

大修道院で立て続けに起こった事件…… 裏で何者かが暗躍してんのは間違いねえ。

俺もその調査に駆り出されて、 今節は王国へ……ってこの話、したよな。

お前も気をつけろよ。

鷲獅子戦の準備はどうだ？ なに、釣り？　のん気なもんだな。

大修道院で立て続けに起こった事件…… 裏で何者かが暗躍してんのは間違いねえ。

俺もその調査に駆り出されて、 今節は王国へ……ってこの話、したよな。

お前も気をつけろよ。

鷲獅子戦の準備はどうだ？ なに、釣り？　のん気なもんだな。

大修道院で立て続けに起こった事件…… 裏で何者かが暗躍してんのは間違いねえ。

俺もその調査に駆り出されて、 今節は王国へ……ってこの話、したよな。

お前も気をつけろよ。

前節は由々しき事態もあり、生徒たちにも 苦労をかけてしまいましたが……

いかがでしょう、あなたも今節の課題に 向け、切り替えられていますか？

鷲獅子戦では、あなた方の素晴らしい活躍を 楽しみにしていますよ。

ふうむ……この修道院、 案外、安全ではないのかもしれんのう。

何しろ、教師の中に敵が入り込んでおった 可能性が高いんじゃ。他にもおるやもな。

わしはあのトマシュとかいう爺が 怪しいと思うのじゃが……どうじゃ？

後輩の邪魔をしちゃ悪いし、 課題には参加しないから、そこは大丈夫。

先生もよろしくね！

少し涼しい日があると、鷲獅子戦の季節が 来たのだと実感できますな。

グロンダーズ平原は帝国領内にあり、 修道院から行く際は、同盟領も通過します。

帝国と同盟の境界を流れる、 フォドラいちの大河アミッド……

そこに架かる橋のうちの一本、 ミルディン大橋を渡ることになるでしょう。

先生、お疲れ様です！ 本日も異常なしであります！

昨年いなくなったモニカ殿、領地に 帰ってしまったのかと思っていたら……

まさかさらわれていたなんて……驚きです！ 恐ろしい思いをしたでしょう。

随分、性格も変わってしまったようで。 明るくなった気がするのが、救いですよ。

ここで手に入らない品でも、 地下では手に入れられるかもしれませんな。

……ガルグ＝マクの地下をご存じない？ あそこは、地上にいられぬ者の楽園ですぞ。

アビスの連中め……日頃から 問題ばかり起こしおって。

いっそガルグ＝マクの地下を丸ごと 掃討してしまうほうがいいのかもな……。

鷲獅子戦の前に釣り大会だなんて、 最初は、何考えてんだって思ったけど……

ま、この時期の魚は美味いもんなあ！ 仕方ない！

先生はもう食べたか？ 今のうちに食べなきゃ損だぞ！

鷲獅子戦での活躍ぶりによっては、 大司教様から褒美が与えられる。

良いか、三つ巴の戦いだからといって、 静観に徹するばかりではいかん。

積極的に動き、より多くの敵を倒すのだ。 さすれば大司教様も認めてくださるだろう。

ふ……私も数年前までここの 生徒だったからな、詳しいんだ。

フレン殿と一緒に、昨年度行方不明に なっていた女生徒も見つかったそうだね。

……そしてその代わりに、剣術師範の イエリッツァ殿が姿を消した。

元々、彼の出自には何かと怪しい点が多く、 その登用には反対する者も多かったんだ。

帝国貴族フリュム家の者だそうだが、 元は別の家からの養子だとも言うし……

そもそもここ十数年は、フリュム家 そのものにも、良い話は聞かないからな。

死神騎士の正体……ぼくは、 イエリッツァさんじゃないと思うけどな。

ぼく、あの人に剣を教わったことあるんだ。 ほんの少しだけだけど……

筋が良い、強くなりそうだって 褒めてくれたこともあるんだよ。

確かにちょっと怖い人だけど…… 悪い人だとは思わなかった。

そうだ、先生。 女神の塔の噂って知ってます？

再来節……星辰の節に催される舞踏会の日、 あの塔で、男女が一緒に願い事をすると……

その願いは必ず成就する。 女神様が叶えてくれるんだそうですよ。

噂の出どころはよくわかりませんけど、 なんだか素敵な話ですよねー！

グロンダーズ鷲獅子戦なんだって？ いやあ、今年ももうそんな時期か。

懐かしいなあ……士官学校にいた頃は、 俺も学級の一員として参加したっけ。

今回もレア様は見に来るんだろ？ 先生も気合入れて頑張ってくれ。

……あんたが誰かは知ったことじゃねえが、 厄介事に巻き込まれる前に立ち去るこった。

それとも、誰かの指図でアビスへ来たのか？ それなら相応のもてなしをするつもりだが。

……いや待て、あんた。もしかして教師か？ 近頃大修道院に来たっていう、元傭兵の。

ふうん、あんたが噂のね…… ……まあ、そういうことならいいか。

俺はユーリス。これからも ここへ来るつもりなら、覚えておきな。

よう。地上のガキどもは、 グロンダーズ鷲獅子戦があんだよな？

おれの年は惜しくも勝利を逃したが…… 今年は金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)に勝ってほしいね。

よう。地上のガキどもは、 グロンダーズ鷲獅子戦があんだよな？

おれの年は惜しくも勝利を逃したが…… 今年は金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)に勝ってほしいね。

だっはっはっは、冗談だ、冗談。 お前の学級を応援しとくよ。暇潰しにな。

よう、グロンダーズ鷲獅子戦だよな！

おれも参加して構わねえって聞いて、 血は沸き肉も躍り魂が弾け飛びそうだぜ。

ああ、腕が鳴るな。 “格闘王”の雪辱戦、目に物見せてやる！

あん？　見ねえ面だな。 お前、ここの住人じゃねえだろう。

教師？　ああ、噂の新任教師か！ ……って、おれより絶対若えだろ、お前。

おれはバルタザール。 同盟領の出身だ。よろしくな。

先日、救出されたというモニカという女性、 もしやオックス男爵のご令嬢ではなくて？

面識はありませんけれど、近い年頃の お嬢様がいるとは耳にしていましたので。

あ、これでも私、帝国屈指の名家、 ヌーヴェル家の生まれですのよ？

……ええ、今は落ちぶれておりますが、 いずれは返り咲いてご覧に入れますわよ！

先日、救出されたというモニカという女性、 もしやオックス男爵のご令嬢ではなくて？

面識はありませんけれど、近い年頃の お嬢様がいるとは耳にしていましたので。

オックス男爵と言えば、先日、帝都で…… いえ、まさか繋がりはありませんわよね？

お父様が亡くなったという話、 モニカにも伝わっているのかしら……？

あら、貴方……どなた？ アビスに似つかわしくない風貌ですわね。

もしや地上から降りてきましたの？ いったい何が目的というのでしょう。

……思い出しましたわ。貴方、レア様に 大抜擢されたという新任の教師ですわよね？

地下でも噂になっておりましたのよ。 私はコンスタンツェ＝フォン＝ヌーヴェル！

以後、お見知りおきなさって？ おーっほっほっほっほっほ！

先生、フレンって子を助けたんだって？ すごいじゃん！　……良かった。

あの子が死んじゃってたりしたら、 ハピのため息は止まらなかったかも……。

鷲獅子戦っていうのがあるじゃん。 ハピも行かないとダメなわけ？

メンドーだよね、遠くに行くって。 負けたらため息が止まらないかも。

……キミが何者か当ててあげよっか。

上の学校に新しく入った先生でしょ。 ハピ、知ってるし。

ここでもちょっと噂になってたんだよね。

ふーん……こーいう顔してたんだ。 わりとフツーじゃん。

あら、先生。 最近どう？　儲かってるかしら？

ゆっくりお話したいところだけど、 こう見えて仕事中なの。ごめんなさいね。

あら、先生。 最近どう？　儲かってるかしら？

ゆっくりお話したいところだけど、 こう見えて仕事中なの。ごめんなさいね。

あっちもこっちも物騒で、 行商仲間も困ってるみたい。

早くみんなが笑顔で商売できる時代に なるといいんだけどね。

……アビス？ 先生、そんな場所に興味があるの？

ガルグ＝マクの地下に広がる古代の遺構…… それがアビスよ。

勝手に住み着いてる人たちもいるけれど、 お察しのとおり訳アリな人ばっかり。

真っ当な商人なら、まず近寄らないわね。 先生も足を突っ込まないほうがいいわよ。

先生、お疲れさんです。 ここは本日も異常ありですよ。

ああ、騎士の人ですか？ 別の任務があるとかで地上に戻りましたよ。

でも、また来るんじゃないですかね？ 絶対ここ気に入ってましたよ、あの人。

あんた、地上の人間でしょ。 こんな場所に何の用です？

……あ、もしかして新入りの先生ですか。 じゃあ入ってもいいですよ。

ここは地下の街“アビス”です。 柄の悪いのが多いので、お気をつけて。

……私の家族は、みんな殺されました。 私が、貴族の目に留まってしまったせいで。

夫も、息子も、両親も…… 私を守ろうとして……。

紋章があれば、何をやってもいいんですか？ 教団も、何もしてくれない……。

ハッハッハ！　君も儂に付き合ってくれ！ つまみならたっぷりあるぞ！

なんでも今節は上で魚を 釣り過ぎたらしくてな、余っとるんじゃと。

アビスがおこぼれに与れるなんて、 滅多にないことだ！　ハッハッハ！

……！　君は、ジェラルト殿の……。 そうか……母君に、よく似ていますね。

ですが……故あって私は、この大修道院を 離れなければならなくなりました。

さしあたって一つ、君に頼みがあるのです。

彼女の墓前に供える花を、 摘んできてはもらえませんか？

他でもない君が摘んできた花ならば、 きっと、彼女も喜ぶことでしょうから。

ありがとうございます。ああ…… この花は、彼女が生前好きだった花です。

……これで、思い残すことはもうない。

さて、私はそろそろ行きましょう。 ベレト先生、どうか息災で。

彼女の分まで、ジェラルト殿のことを 大切にしてあげてくださいね。