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ギルベルト
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……そうだ。
私には、こうして祈ることしかできない。
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ギルベルト
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あの忌まわしきダスカーの地で、
多くの者が命を落とした……私のせいで。
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アネット
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……父さんのせいって言うけどさ。
あたしは、そうじゃないと思う。
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アネット
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殿下は、父さんを恨んでない。
ランベール様も、きっとそうだと思う。
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アネット
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でも……たぶん、父さんにとっては
そういう問題じゃないんだよね。
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ギルベルト
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……私には、王族を守護する使命があった。
命に代えても、守らねばならなかったのだ。
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ギルベルト
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たとえ殿下が私を許しても、
騎士の誓いと矜持とが、私を許さない……
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アネット
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それは……父さんを見てれば、わかるよ。
母さんだって、わかってたと思う。
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アネット
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だけど国を逃げ出す前に、一度でいいから、
家族のことを思い出してほしかったな。
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アネット
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誰が父さんを責めても、あたしたちだけは
父さんの味方でいるつもりだったのに……。
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アネット
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む……いつかも言ったと思うけど。
別に、謝ってほしいわけじゃないもの。
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ギルベルト
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……中を見てもらえばわかる。
気に障ったなら、捨ててくれればいい。
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アネット
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も、もう、父さん! また勝手な……!
……あれ。これってまさか。
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アネット
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……やっぱり、あたしと母さんへの手紙。
こんなにたくさん、どうして……?