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アネット
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あのね。手紙は全部、読んだよ。
……ずっと、書いてくれてたんだよね。
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アネット
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あたしの誕生日。母さんの誕生日。
節目節目で、いつもいつも……。
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アネット
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ねえ、どうして出してくれなかったの?
一通でも送ってくれれば……!
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ギルベルト
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……出そうとしては、思い留まった。
自分を甘やかしているような気がしたのだ。
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ギルベルト
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そうして時が過ぎていくうちに、
お前たちへの罪悪感も増していった。
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ギルベルト
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手紙を書いてみても、
どうしても……出せなかった。
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アネット
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母さんといつも話してたんだよ。
せめて手紙の一通でもくれたらなって。
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アネット
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……それは聞き飽きたから、もういい。
謝られたって、仕方ないし。
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アネット
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それより、父さん。あの手紙、
母さんに出してあげてよ。絶対喜ぶよ。
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アネット
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……じゃあ、あたしから母さんに送る。
それはいいよね? ね?
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アネット
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じゃ、送っちゃお。
後で何か言っても、知らないからね。
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アネット
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……あのね、父さん。
あたし、嬉しかったよ。
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アネット
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父さん、ずっとあたしたちのことを
考えてくれてたんだ、って。
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アネット
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あたしも母さんも、ずっと心配してた。
口には、出さなかったけど……
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アネット
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父さんはあたしたちのことを嫌いになって、
忘れちゃいたくなったんじゃないかって……
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ギルベルト
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……それだけは、あり得ない。
亡き陛下に、故国に誓ってもいい。
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アネット
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いつか……ううん、この戦いが終わったら、
あたしたちのところに帰ってきて。
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アネット
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……絶対だよ? 約束だからね?
破ったら、もう口きいてあげないからね?
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アネット
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……うん! えへへ……嬉しいな。
また、父さんと一緒に暮らせるなんて!