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ベレト enters the scene
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ディミトリ enters the scene
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ディミトリ
………………。
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ディミトリ
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眠れなくて、少し訓練を……。 だがもう、切り上げることにした。
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ディミトリ
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ああ。だが、今晩は 早めに切り上げることにした。
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ディミトリ
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あまり天気も良くないからか、 もう塞がったはずの傷が痛んで……。
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傷?
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ディミトリ
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……ああ。グロンダーズでの戦いの後、 あの少女に刺された時の傷だ。
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ディミトリ
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彼女の目は……復讐者の目だった。 ……かつての俺と、同じ目をしていた。
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結局、誰だったのだろう……
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ディミトリ
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……さあな。 だが、おおかた想像はつく。
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ディミトリ
………………。
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ディミトリ
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……ああ、そうだ。 あの話、まだ先生にはしていなかったか。
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何の話?
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ディミトリ
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先日、修道院の中で斬りかかられてな。 ……ちょっとした騒ぎになった。
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ディミトリ
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斬りかかってきたのは……いつか、 俺たちが剣を教えてやった少年だった。
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ディミトリ
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ああ。あの程度なら、たとえ 目を閉じていようとも取り押さえられる。
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ディミトリ
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……彼らは、5年前に俺たちが討伐した 盗賊団で育てられていたんだそうだ。
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ディミトリ
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子供に罪はないからと、 レア様が引き取ったのだと聞いた。
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ディミトリ
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……これまで俺は、多くの人の命を 奪ってきた。憎しみの赴くまま、次々と。
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ディミトリ
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特にあの5年間は、獣と大差ないような 生活を送ってきたから……。
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ディミトリ
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あの少女の兄も、どこかで俺が……。
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ディミトリ
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……だから、いつか俺がその報いを 受けるのは、当然のことだと思っていた。
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ディミトリ
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俺が憎み、俺が奪い、 そして……俺が殺したのだからな。
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ディミトリ
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だがあの子供たちは、違う。俺たちが、 良かれと思って抜いた剣で傷ついた。
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ディミトリ
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流石に少し……堪えるものがある。
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ディミトリ
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……ああ。
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ディミトリ
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だが、俺たちは息絶えるその時まで、 戦いを選んだ人間の責務として……
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ディミトリ
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この苦悶と……戦争という行為の本質と、 向き合い続けなければいけないのだろうな。
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ディミトリ
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……そうかもしれないな。
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ディミトリ
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……ありがとう。
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ディミトリ
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なあ……先生。今頃になって、 ようやく気づけたことがある。
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ディミトリ
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自分の隣に誰かがいてくれるというのは、 こんなにも……心強いものだったんだな。