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ヒルダ
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お独りですよねー? まさか、
誰かと待ち合わせもしてませんよねー?
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ヒルダ
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やっぱりねー。
そうだと思ったんですよねー。
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ヒルダ
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もちろん、この塔の伝説を知ってて
ここに来たわけでもありませんよねー?
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ヒルダ
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星辰の節、ここガルグ=マク大修道院で、
盛大に舞踏会が催される夜……
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ヒルダ
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女神の塔で未婚の男女が逢瀬し、
将来の誓いを立てたならば……
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ヒルダ
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その誓いは、女神の加護を受け、
必ずや成就するであろう……。
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ヒルダ
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……ってことらしいの。
生徒の間では有名な話なんですよー?
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ヒルダ
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あたしも、何人かの男の子に、
一緒に行こうって誘われたんですけどー。
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ヒルダ
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だって、誘いを受けちゃったら、
将来を誓っちゃうことになるんですよー?
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ヒルダ
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ただの伝説とはいえ、流石のヒルダちゃんも
慎重になっちゃいますよねー。
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ヒルダ
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中にはそこそこかっこよくて、
家柄の良い子もいたんですけどー。
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ヒルダ
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そういう外側だけの情報じゃ、
その人の本質ってわからないでしょー?
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ヒルダ
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あたしが添い遂げる相手は、
中身までかっこよくないと困りますからー。
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ヒルダ
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……なーんてこと考えながら歩いてたら、
先生を見かけて、追いかけてきたんです。
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ヒルダ
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先生ならー、いいかなーって……。
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ヒルダ
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先生が誰かと一緒だったら、
覗いちゃおうって思っただけですー。
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ヒルダ
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ま、先生がどーしてもあたしと、
誓いを立てたいっていうならー?
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ヒルダ
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考えてあげなくもないですけどー?
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ヒルダ
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ちょっとちょっと、
明日じゃ意味ないんですけどー!
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ヒルダ
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……あ、下でみんなが先生のこと
捜してましたよー。女の子たちもー。
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ヒルダ
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意外と隅に置けませんよね、先生。
どうせ自分では気づいてないんでしょ?
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ヒルダ
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……じゃ、そういうことでー!
早く降りてきてくださいねー。
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ヒルダ
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先生と一緒にいたとこ、
女神様はちゃんと見てたかなあ……?