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セテス
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……君か。突然、呼びつけてすまない。
そこに、掛けてくれ。
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セテス
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君とは一度、話をしなければならないと
思っていたものでね。
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セテス
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以前、言ったと思うが、私はここで
大司教の仕事全般を補佐している。
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セテス
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布教や啓蒙、儀式の主催、寄進の管理……
その他教団の運営に関わることすべてだ。
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セテス
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故に私は、教団に属する聖職者はもとより、
騎士団や士官学校をも統括する立場にある。
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セテス
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光栄なことに大司教からも信頼を賜り、
多くを私の裁量に委ねてもらっている。
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セテス
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また、大司教自ら決裁すべき内容も、
事前に相談されることが多い。
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セテス
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君を士官学校の教師に採用した件に限っては
寝耳に水の話だった。
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セテス
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その上、“天帝の剣”まで託してしまった。
あの時は流石の私も狼狽えたものだ。
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セテス
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そして今や、君は……
いや、憶測で語るのは控えよう。
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セテス
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とにかく、君についてもう少し
知っておくべきだと思ってね。
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セテス
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これからする質問は、単なる確認だ。
協力してもらえると助かる。
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セテス
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その上、“天帝の剣”まで託してしまった。
あの時は流石の私も狼狽えたものだ。
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セテス
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君の扱いについては、今でも戸惑っている。
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セテス
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大司教を補佐する立場にありながら、私は
君のことを何ら把握できていないのだから。
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セテス
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いや……個人的には君を信頼している。
だが、それだけでは不足だ。
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セテス
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何か問題が生じれば、信徒が不利益を被る。
立場上、慎重にならざるを得ないのだよ。
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セテス
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その上、“天帝の剣”まで託すとは……
いったい大司教は何を考えているのか。
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セテス
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正直、戸惑っているのだよ。本来、経るべき
審査を、君は何もしていないのだからね。
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セテス
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戦闘や用兵に関しては腕が立つとしても、
その他のことはほぼ把握できていないのだ。
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セテス
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有り体に言えば、そういうことになるな。
立場上のことだ、悪く思わないでくれ。
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セテス
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さて、早速だが……君が自身のことについて
どれだけ理解しているのか確認したい。
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セテス
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君の父親はジェラルト=アイスナーで、
間違いないんだろうな?
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セテス
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頼りない答えだな。今後、誰かに聞かれたら
はっきりと肯定してもらいたい。
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セテス
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ジェラルトは、元騎士団長として
フォドラ全土に名の知れた勇士だった。
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セテス
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ジェラルトは、元騎士団長として
フォドラ全土に名の知れた勇士だ。
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セテス
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その子供ということであれば、教団が君を
採用したことに誰も文句は言わないはずだ。
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セテス
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……それで、傭兵として働くように
なってからは、どれくらい経つんだ?
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セテス
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10年だと?
君の若さで、そんなはずはないだろう。
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セテス
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そもそも年を聞いていなかったな。
君は今、いくつなんだ?
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セテス
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……本当にわからない、という顔だな。
ジェラルトはどんな育て方を……
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セテス
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これ以上、君に話を聞いても、
時を浪費するだけのようだ。
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セテス
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理由はともかく、
大司教は君に大きな期待を寄せておられる。
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セテス
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その期待を裏切らないでもらいたい。
……以上だ。