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アロイス
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おや、ディミトリ殿。 珍しい、今日は稽古に出ないのか?
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ディミトリ
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そのつもりでしたが、この猛雨では。 降りやむ様子もないようですし……。
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アロイス
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む、確かに今日の雨は随分と強いな。 これでは外出もままならん。
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アロイス
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猛雨だけに、もう動けない~、などと。 はっはっは!
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ディミトリ
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……は、はあ。そうですね……。
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アロイス
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ああいや、すまんすまん。 この天気ゆえ、冗談の冴えも悪くてな!
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ディミトリ
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いや、天気と冗談に何の関係が…… ……それで、私に何かご用でしょうか。
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アロイス
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うむ、もし良ければ、 武器庫の整理を手伝ってもらいたいのだ。
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アロイス
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あなたならば武器への造詣も深いだろうし、 何より、力仕事が得意だと聞いたからな。
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ディミトリ
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そうでしたか。ならば、すぐにでも。 ちょうど時間を持て余していましたので。
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アロイス
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それはありがたい。いやあ、私一人では とても終わらんと思っていたのだ!
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アロイス
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しかし、ディミトリ殿は気さくなのだな。 貴族には気難しい者も少なくないのに……
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アロイス
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王族とは思えんほどの気安さ、 まさしく、おお、俗っぽい……
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ディミトリ
………………。
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アロイス
………………。
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アロイス
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(うっ、これは流石に 礼を失し過ぎていたか……?)
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アロイス
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(というか切り捨ててくれれば良いものを、 なぜ黙り込んでしまうのだ……!)
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アロイス
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……そのだな、ディミトリ殿。 先程の冗談は……
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ディミトリ
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……ふっ。 く、くく、はははは!
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アロイス
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えっ。
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ディミトリ
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ふっ、くく…… も、申し訳ありません、アロイス殿。
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アロイス
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い、いや待て、今の冗談が…… 本当に面白かったのか?
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ディミトリ
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あ、いえ。
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アロイス
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ぐぬっ……。
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ディミトリ
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ですが、そこまでの域に達すると 逆に笑えてくるというものです。
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アロイス
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む……いや、私は本気で笑いを 取りに行ったつもりなのだが……。
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アロイス
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だがしかし、ディミトリ殿が これほど声を上げて笑うなど、珍しい。
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ディミトリ
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……事実、あまり得意ではありませんので。 こうして声を上げて笑うのは久しぶりです。
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ディミトリ
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アロイス殿、やはりあなたはこちらの芸に 磨きをかけるべきではありませんか。
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アロイス
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こちらの芸、とは……いやいや、要は私の 冗談がつまらんと言っているだけでは……。
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ディミトリ
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……ええと、すみません。 冗談そのものへの言及は……控えます。
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アロイス
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ぐぬっ……よし、ディミトリ殿、次こそは 必ずあなたに面白いと言わせてやるぞ!
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アロイス
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そうと決まれば戻って話の種を考えねば! はーっはっは!!
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アロイス leaves the scene
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ディミトリ
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いやあの、アロイス殿、武器庫の整理は…… ……行ってしまわれた。