フェリクス & シルヴァン Ａ

フェリクス
……食べろ、シルヴァン。

シルヴァン
食べろって……何だこの包み。菓子か？

フェリクス
街の女に押しつけられた。 だが俺は好かん。お前にやる。

シルヴァン
そういやお前、甘いもん苦手だったなあ。 じゃ、ありがたく。後で食べるよ。

シルヴァン
……で、俺に何してほしいんだ？ あ、女の子との仲を取り持ってほしいとか？

フェリクス
お前の頭には砂糖でも詰まっているのか？ この間の戦闘での礼を言いに来ただけだ。

フェリクス
……お前が伏兵に気づいていなければ、 俺は今頃死んでいただろうからな。

シルヴァン
ああ、そうだったっけなあ……けど、 そんなの特別なことでも何でもないだろ？

シルヴァン
戦場じゃあ、持ちつ持たれつ。 仲間ってのは助け合うもんさ。だろ？

フェリクス
……変わらんな、お前は。

シルヴァン
おうさ、俺は何にも変わらないぜ。

フェリクス
お前は、そうやっていつも……

シルヴァン
え？　いつも、何だって？

フェリクス
……何でもない。

シルヴァン
何だよ、フェリクスらしくねえの。 言いたいことがあるならはっきり言えよ。

フェリクス
……気が向いたらな。

シルヴァン
はいはい、それじゃ、お前の気が向くのを 飯でも食べつつ待ってるとしますかねえ。

シルヴァン
ほら、フェリクス、街で飯でも食べようぜ。 何かおごってやるよ。肉とかさ。

フェリクス
……そうだな。お前には恩がある。 今日ばかりは付き合ってやってもいい。

シルヴァン
腹を満たしたら、 その後は女の子を口説きに……

フェリクス
………………。

シルヴァン
冗談だって、ほんっと気が短い奴だなあ。 ほら、一緒に行くぞ、フェリクス！