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イグナーツ
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ふ、フレンさん! あのっ!
フレンさんを描かせてくれませんか!!
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フレン
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……あら、イグナーツさん。
これまた唐突ですのね。
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イグナーツ
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フレンさんの絵を描きたいんです。
……描かせていただけませんか?
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イグナーツ
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聖セスリーンの姿を思い描いていたら、
どうしてもフレンさんの姿が重なって。
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フレン
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ま! 最近熱い視線を感じると思ったら
イグナーツさんでしたのね?
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フレン
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お兄様に気づかれなくて幸いでした。
災いが降りかかる前にお控えになってね。
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フレン
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でも……そうですわねえ……。
………………。
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フレン
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聖セスリーン像よりも綺麗に描くと
約束していただけるなら、よくってよ。
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イグナーツ
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セスリーン像「より」?
セスリーン像「のように」じゃなく?
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フレン
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だって、目の前のわたくしのほうが
美しいでしょう?
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イグナーツ
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ま、まあ、フレンさんは美人ですけど。
……そこ、張り合うんですね。
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イグナーツ
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聖セスリーンに憧れている君なら
同じくらいっていうのかと思いました。
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フレン
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憧れている? わたくしが?
……ふふっ! 変なことおっしゃる方。
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フレン
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で、わたくしはどうしたらよろしくて?
何か構えでも取って差し上げましょうか。
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イグナーツ
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か、構えはいいので……。
フレンさんは座っていてください。
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フレン
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座っているだけでよろしいんですの?
……退屈ですのね。
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フレン
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もしかして、これ、長くかかりますの?
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イグナーツ
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そうですね、数日は……。だから
時間がある時だけ付き合ってもらえれば。
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イグナーツ
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それに……よかったらまた、
聖セスリーンの話、聞かせてくれませんか。
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イグナーツ
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フレンさんから聞いたセスリーンは、
伝承よりも、現実味があるというか……
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フレン
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……イグナーツさん!
もう、わたくしを綺麗に描かなくて結構よ!
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フレン
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それよりも、かっこよく!
かっこよく描いてくださる!?
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イグナーツ
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え、えええー? フレンさんは
どっちかというと、可愛らしい……。
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フレン
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あなたは、かっこいいセスリーンに
憧れてしまうのでしょう?
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フレン
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それなら、わたくしも、かっこよく!
納得いくまで何枚でも描いてよくってよ?
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フレン
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いえ、わたくしが納得できるまで、
何枚でも描いてもらいますわ!
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イグナーツ
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えええ……フレンさんが納得する絵を、
描けるかな、ボク……。
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イグナーツ
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でも、やってみます! 描きたいって
言い出したのは、ボクですし!
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イグナーツ
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何節かかるかわかりませんけど……。
それでも構いませんか?
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フレン
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ええ、もちろん構いませんことよ!
だって、わたくしたちはお友達でしょう?
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フレン
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お友達のお願いを聞いてあげるのがお友達!
わたくし、何百年だって付き合いますわよ!
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イグナーツ
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あはは……ありがとうございます。
生きている限り、頑張りますね……。