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ヒルダ enters the scene
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ヒルダ
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……あちゃー、ひっくり返しちゃった。 お茶の葉って絨毯に絡んで面倒なのよね。
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イグナーツ enters the scene
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イグナーツ
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あれ? ヒルダさん、どうかしたんですか。
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ヒルダ
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あ、イグナーツくん。 茶器をひっくり返しちゃって……。
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ヒルダ
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お茶は飲み終わってたんだけど、 淹れ終わった茶葉を撒き散らしちゃったの。
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イグナーツ
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あーこれは……。手伝いますよ。 濡れた茶葉は染みになっちゃいますから。
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ヒルダ
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でも、イグナーツくん。 これから用事があるんじゃないのー?
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イグナーツ
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あ、いえ、大丈夫ですよ。 ボクも休憩時間なので。
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ヒルダ
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……手に持ってるの、絵の道具よね? 絵を描きに行こうと思ってたのー?
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イグナーツ
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あ、はい。良いお天気ですし、 綺麗な花が咲いている場所を見つけたので。
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イグナーツ
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でも、急がなくても花は逃げませんから。 早く掃除しちゃいましょう!
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ヒルダ
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う、うん……。
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ヒルダ
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イグナーツくん、ありがとう。 ……時間取らせちゃって、ごめんなさい。
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イグナーツ
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でも、染みにならなくて良かったです。 絨毯に絡んだ茶葉も綺麗に取れたし。
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ヒルダ
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これから、絵を描きに行くの? 今日はもう時間なくなっちゃった?
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イグナーツ
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いえ、時間は大丈夫、なんですけど……。
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イグナーツ
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……あの! 良かったら、 これから一緒に行きませんか?
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ヒルダ
………………。
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イグナーツ
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あ、迷惑ならいいんです! 忙しいですよね、ごめんなさい!
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ヒルダ
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……あたし、何も言ってないよー?
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イグナーツ
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え、いや、でも……。 黙ってるから、嫌なのかなって。
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ヒルダ
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嫌なんて言ってないじゃない。 ちょっと驚いただけー。
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ヒルダ
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綺麗な花、あたしも気になってたんだー。 誘ってくれて、すっごい嬉しいよー。
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イグナーツ
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あ、あははは……。よかった。 ……ん? 嬉しい、ですか? 本当に?
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ヒルダ
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えー、何で疑うの? 一緒に何かしようって 誘ってもらうのは、嬉しいものなのよー。
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イグナーツ
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それは、確かにそうですね。相手の人が 自分を認めてくれてるような気がしますし。
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ヒルダ
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そうそう。だから一人で勝手に気を遣って、 一人で何でもやろうとしなくていいんだよ?
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ヒルダ
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一緒にやろーよ!って言えば、 みんな嬉しいんだからさー。
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イグナーツ
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そうですね。相手が喜んでくれるなら……。 ……じゃ、じゃあ、ヒルダさん!
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イグナーツ
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花を見るだけじゃなくて…… 絵も一緒にどうでしょう?
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ヒルダ
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へ? あたしも描くの?
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イグナーツ
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あ、いや、そうじゃなくて、 花に囲まれた君を描きたいなって……
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イグナーツ
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あ……こ、これは流石に嫌ですよね? すみません! 調子に乗って、すみません!
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ヒルダ
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だから、何も言ってないってば……。 ……そうねえ。でも嫌かなー。
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イグナーツ
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え……あ……、すみま……
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ヒルダ
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あたしを可愛く描いてくれなきゃ嫌かなー。 ……描いてくれるわよね?
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イグナーツ
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え? も、もちろんです! 絶対絶対、可愛く美しく描きます!
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ヒルダ
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そうよね、当然よね。だってわたし……。 今ならとびきりの笑顔ができそうだもの。