イングリット & イグナーツ Ａ

イグナーツ
イングリットさん、どこへ行くんですか？

イングリット
イ、イグナーツ、気づいていたのですね。 あなたの邪魔をしてはいけないと……。

イグナーツ
あはは、大丈夫ですよ。ちょうど今、 セイロス様の絵を描き終えたところです。

イングリット
そ、そうだったのですか。 ……見ても、いいでしょうか？

イグナーツ
もちろんです。どうぞ。

イングリット
……以前のものとは、印象が異なりますね。 あれは優しい感じでしたが、今回は……。

イグナーツ
躍動感が出ている、でしょう？ ……自分で言うのも何ですが。

イングリット
はい、それです。何だか、 見ている側に活力を与えてくれるような。

イグナーツ
最初は、慈愛に溢れるセイロス様を 描くつもりだったんですけど……

イグナーツ
イングリットさんの言葉を元にして、主題を 民のため戦うセイロス様にしてみたんです。

イングリット
……そうなのですか？　 言われてみれば、この大きな剣や仕草は……

イグナーツ
はい。流石に、イングリットさんの 無茶苦茶を全部は採用してませんが。

イングリット
……すみません、無茶苦茶で。

イグナーツ
あー！　いや、ボクが言いたいのは そういうことではなくて。

イグナーツ
他の人の意見を拒まずに受け入れてみると、 新しい可能性が生まれるんだなって。

イグナーツ
だから、そのことに気づかせてくれた イングリットさんに感謝したいんです！

イングリット
……そうなのですか？ それならば、良いのですが。

イングリット
……そうですね。自分の考えに固執せず、 他人の意見を聞き入れる……

イングリット
そうすれば、新しい道が見えてくる。 ……何においても、肝要なことですね。

イグナーツ
はい！

イングリット
ありがとうございます、イグナーツ。 あなたの言葉は、私に気づきをくれた。

イングリット
私も、他人の意見に対して 素直に耳を傾けるよう、心がけてみます。

イグナーツ
はい。ボクもまた、 別のものを描きたくなってきました。

イングリット
描き上がったのを見るのが、楽しみですね。 頑張ってください、イグナーツ。