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セテス
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イングリットか。
将来、進むべき道が決まったのか?
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イングリット
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はい。セテス殿には、どうしても
私の決意を聞いていただきたいと……。
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セテス
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それは光栄だ。
では早速、聞かせてくれるか?
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イングリット
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はい……。私は祖国を守りたい。
王に仕える、一人の騎士として。
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イングリット
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私に貧しい思いをさせず、育ててくれた
父の恩は、何にも代えがたいものですから。
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セテス
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……そうか。よくよく考えた末に出した
結論なのだな? ならば私も異論はない。
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セテス
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だが……ひとつだけ聞かせてもらっても
構わないだろうか?
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セテス
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君はその決意に至るまで、
お父上に相談してみたのか?
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イングリット
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い、いえ……そこまでは。
わざわざ出向く暇もありませんし。
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イングリット
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それに父は、私がこの戦争に
身を投じるのを許してはくれましたが……
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イングリット
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実際、無茶を言って、半ば強引に家を
飛び出してきてしまったようなもので……
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セテス
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ならばこそ、改めて顔を合わせて、
よく話し合ってみるべきだと私は思う。
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イングリット
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……父は昔から、意固地な人で。
私の話など、聞いてくれるかどうか。
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セテス
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私はガラテア伯と親しいわけではないから
何とも言い難いが……そうだな……。
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セテス
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知ってのとおり、私にも手の掛かる
家族がいる。いつもいつも心配でならない。
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セテス
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そんな立場から言わせてもらえば、父君は
きっと君の相談に耳を貸してくれるだろう。
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セテス
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君の真摯な思いをぶつけられたら、
無下にはできないはずだからな。
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セテス
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父君と話してみて、それでも先ほどの決意が
変わらないと言うのであれば、それでいい。
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イングリット
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そうですね……。
父と、きちんと話をしてみようと思います。
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イングリット
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私は父が意固地だから、と、すべてを
父のせいにしていたのかもしれません……。
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イングリット
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ですが、意固地だったのは私です。
私が歩み寄れば、父も、きっと……。
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セテス
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うむ、それでこそ、私のイングリットだ。
自信を持って、前へ進むといい。
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イングリット
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あなたの言葉、しかと胸に刻みます。
本当に……ありがとうございました!