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セテス
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……そこにいるのはわかっていますよ、
ハンネマンさん。
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ハンネマン
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上手く気配を消せたと思っていたのだがね。
おや、その書物は紋章の……
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ハンネマン
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セテス君! さては、ついに我輩の研究に
付き合ってくれる気になったのだな!
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セテス
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……違いますよ。16年も断り続けて
いるのに、なぜ勘違いできるのですか。
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セテス
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……違いますよ。21年も断り続けて
いるのに、なぜ勘違いできるのですか。
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セテス
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これは私に付き纏わないという条件で
貴方に貸そうと見つけてきた書物です。
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ハンネマン
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ううむ、それも捨てがたいが、我輩には君が
協力してくれるほうが遥かに価値がある。
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ハンネマン
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我輩の知る限り、君以外にその紋章を
持っている者は現在、確認されていない。
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ハンネマン
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故に我輩は知る必要があるのだ。
君の紋章がどこから来たのか、その由来を!
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セテス
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その問いは幾度となく聞きましたし、
答えましたよ。私にもわからない、と。
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セテス
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私は紋章とは無縁の、ごく普通の平民の出。
家系の記録さえ残っていません。
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ハンネマン
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ふふ、そのような言い訳で我輩が諦めると?
我輩が納得するまで永遠に追及すると……
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セテス
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……時間の無駄です。
貴方の求めるものに、私は応えられない。
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セテス
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仮に私がキッホルの大紋章を持つ理由が
わかっても、貴方は納得しないでしょう。
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ハンネマン
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それは我輩が判断することだ。
そして、君の言うとおりだったとしても……
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ハンネマン
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「君の言うとおりだった」ことがわかる。
研究とはそういうものだ。違うかね?
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セテス
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私は研究者ではないので、
わかりかねますな……。
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セテス
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それでは、この書物は不要ということで
処分してしまって構いませんか。
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ハンネマン
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そ、そうは言っておらん。
いささか性急に過ぎるぞ、セテス君。
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ハンネマン
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今回のところは、素直に退散しておこう。
代わりに、その書物は借り受けるぞ。
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ハンネマン
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その書物の研究が片づいたら、
今度こそ君の番だからな、セテス君。
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セテス
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今度も何もありません。
私の番はそれこそ永遠に来ないでしょう。
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ハンネマン
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はあ……君のその頑なさも、キッホルの
大紋章を持つがゆえかもしれん。
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ハンネマン
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いずれ研究を本格化する前に、君の人格に
ついても分析する必要がありそうだな。