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イングリット
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いったいどうしたのです、ユーリス。
訓練が終わったら食堂に来い、だなんて。
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ユーリス
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ああ、ちょっとお前に用があってさ。
適当に座って、もう少しそのまま待ってろ。
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ユーリス
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おう、これでも料理には自信があってね。
高級なもんじゃないが、美味そうだろう?
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イングリット
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その……ユーリス……これ、頂いても?
私、訓練の後でお腹が減っていて……。
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ユーリス
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ああ、もちろん。
何しろ、そのために呼んだんだからなあ。
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イングリット
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ありがとうございます……!
では、遠慮なく! いただきます!
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イングリット
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ああ……口の中でとろける柔らかいお肉!
絡み合う野菜の風味が絶妙ですね!
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イングリット
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素材の味が互いを引き立て合っている……
まるで……名将の戦でも見ているよう……!
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ユーリス
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いや落ち着け落ち着け……感想なんて
要らねえから、ゆっくり味わって食えよ。
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イングリット
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ふう……ご馳走様でした、ユーリス。
私、今、とても幸せです……。
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ユーリス
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はははっ、そりゃあ良かった。
気合を入れて作った甲斐があったな。
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イングリット
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あら? ユーリス、あなた……
もしかして何も食べていなかったのですか?
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ユーリス
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まあ、後で軽く食おうと思ってたから……。
自分で食べるために作った料理でもねえし。
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ユーリス
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そうだよ。件の宿場の主人がさ、
お前に食わせてやれって肉を寄越してさ。
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ユーリス
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これは責任持って料理しねえとと思って、
厨房を借りて作ってたってわけだ。
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イングリット
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……いけません、ユーリス。食事とは
皆で卓を囲み、分け合ってこそのもの。
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イングリット
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それなのに私としたことが、自分ばかり。
食べ終わってから気づくとは……不覚です。
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ユーリス
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いいって、何でそんなこと気にするんだよ。
お前が貰った肉じゃねえか。
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ユーリス
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それに……良いもんを見られて満足したよ。
俺様にとっては、それが一番の収穫だ。
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ユーリス
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前に、街で串焼きを頬張ってる
お前の顔を見た時から思ってたんだが……
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ユーリス
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俺は、幸せそうに飯を食う
お前の顔が好きだ。
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ユーリス
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宿場の主人の言ってることがわかったよ。
お前は本当に良い顔で飯を食ってくれる。
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イングリット
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それは……ほ、褒められているのか
貶されているのかもわからないのですが。
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ユーリス
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いや、褒めてるんだよ。本気だぜ?
俺は、そういう女が一番好みだね。
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イングリット
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……まったく。そういった軽薄な物言いは、
誤解を招きますよ。程々にしてくださいね。
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ユーリス
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うーん、本気で言ってるんだが……。
何でこう、上手く伝わらねえんだろうなあ。