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イングリット
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ん~っ! この宿場の串焼きは最高ですね!
ですが向こうの宿場も、なかなか……
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ユーリス
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お、イングリットじゃねえか。
どうしたんだ、こんなところで。
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イングリット
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……あら、ユーリス。あなたこそ、
こんなところで何をしているのです?
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ユーリス
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ああ、家族に金を届けてきた帰りだよ。
大した額じゃあねえけどな。
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イングリット
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仕送りですか! それは素晴らしいです。
私もあなたを見習わなくてはなりませんね。
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ユーリス
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それはさておき、お前、さっき慌てて
何か呑み込んでたみたいだが……
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イングリット
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そ、そうだ、ユーリス! 実は、ええと……
一つ気になっていたことがあるのです。
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イングリット
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いいえ、何でも。それよりあなた、以前
ローベ家で働いていたことはありませんか?
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イングリット
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4年前、私がローベ伯の居城を訪れた時
伯爵の傍らに、あなたの姿を見たような……
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イングリット
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9年前、私がローベ伯の居城を訪れた時
伯爵の傍らに、あなたの姿を見たような……
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ユーリス
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そりゃあ、その頃はちょうど養子として
ローベ家の厄介になってた時期だ。
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イングリット
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ローベ伯の養子、ですか……?
そういえば、噂を耳にしたことがあります。
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イングリット
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将来有望な遠縁の若者を、養子として
迎えた、と。あなたのことだったのですね。
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ユーリス
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と言ってもまあ、縁はもう切れてるけどな。
今となっちゃ、俺とあの人はただの他人さ。
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ユーリス
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士官学校に入れてもらった恩はあるが、
あれからいろいろと揉めてなあ……。
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ユーリス
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そういうお前は、いったい何の用があって
ローベ家なんかに行ったんだ?
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イングリット
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それは、その。何と言うべきか……
そう、友人の尻拭いをしに、ですね……。
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ユーリス
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なるほど、シルヴァンの話か。察した。
いやあ……苦労してるんだなあ、お前も。
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ユーリス
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なるほど、事情はよくわからんが、
お前もいろいろ苦労してきたんだなあ。
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ユーリス
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……ところでさっき聞きそびれたが、
お前、ここの常連なのか?
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イングリット
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べ、別に、どうでもいいでしょう? 私も、
たまには外で食事をしたくなる時が……
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ユーリス
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ああいや、別に文句をつけたいわけじゃ
なくてだな。
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ユーリス
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この宿場の周りは夕方になると物騒だから、
気をつけろって言いたかっただけさ。
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イングリット
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それは……お気遣いありがとうございます。
ですがいざとなれば自力で返り討ちに……
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ユーリス
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ああそれと、さっきここの宿場の主人が、
お前にいつもありがとうって言ってたぜ。
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ユーリス
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お前はいつも美味そうな顔で飯を食うから
作ってるこっちが嬉しくなる、ってよ。
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ユーリス
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もしかして、食い意地張ってるの、
悟られたくなかったのかなあ……。