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バルタザール
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……なあ、ユーリス。おれたちがここで 欠伸を噛み殺してる意味はあんのかね?
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ユーリス
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噛み殺せてねえぞ。ったく、そんなに暇なら 俺が一勝負、付き合ってやっても良いが……
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バルタザール
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あー……やめとく。近頃は寒々としててな。 お前に巻き上げられるのは懲り懲りだ。
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ハピ
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何言ってんだか。暖かかったら 喜んでバラ撒くじゃん、バルト。
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コンスタンツェ
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おーっほっほっほ! 手持ち無沙汰なら 頭を働かせていれば良いのですわ!
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コンスタンツェ
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ま、働かせる頭のない者は 退屈かもしれませんけれど!
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ハピ
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ま、働かせる頭はハピもないし、 ユリーとコニーに任せて……
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ごろつき
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……お頭!
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ごろつき enters the scene
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ユーリス
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どうした、随分早く戻ってきたな。 何か地上で動きでもあったか?
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ごろつき
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ああ……お頭の指示どおり 枢機卿の会合を探ってきたんだが……。
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ごろつき
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……それが、その。見つかっちまって。 おかしな連中に追いかけられてるんだ。
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ユーリス
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おかしな連中……? 騎士団か?
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ごろつき
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詳しいことはわからねえ……。 数は7、8人だったと思うが、武装してる。
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ユーリス
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その人数じゃ、地下を制圧しようって 腹でもなさそうだな。
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バルタザール
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大方、お前を悪党だと思って 捕らえに追ってきたんだろ。
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バルタザール
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よおし、返り討ちにしてやらあ! 腕が鳴り過ぎて轟いてきたぜえ!
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バルタザール leaves the scene
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コンスタンツェ
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お待ちなさい、バルタザール! 貴方はどうしていつもそう短慮で……
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ハピ
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そういうコニーだって、どーせ戦うじゃん? 新しい魔法を試したいとか言ってたし。
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ユーリス
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ま、ここは地上の法が及ばねえ場所だ。 多少遊んでやったって罪には問われねえさ。
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ユーリス
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……何より、相手は教団の息のかかった 連中だ。騎士団じゃないにしろな。
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ごろつき leaves the scene
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ユーリス, ハピ leave the scene
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コンスタンツェ
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あ、貴方たちっ……! ちょっと! お待ちなさい! 私も、私も行きますわ!
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コンスタンツェ leaves the scene
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エーデルガルト
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ここは……ただの通路ではなさそうね。人の 痕跡も多いし、住居のようにも見えるわ。
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ヒルダ
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ガルグ=マクの地下……そういえば昔、 兄さんから聞いたことがあったっけ。
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クロード
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ん? ああ、ホルストさんも 士官学校の卒業生だったか。
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ヒルダ
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うん。兄さんが生徒だった頃に、ガルグ= マクの地下にまつわる噂があってね。
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ヒルダ
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街の地下には無数の通路や区画が広がって いて、後ろ暗い人たちが住んでるって。
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ヒルダ
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その名も……“アビス”?
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バルタザール enters the scene
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バルタザール
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そのとおり! ここはガルグ=マクの地の底“アビス”だ!
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ディミトリ
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! 誰だ……!
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ディミトリ
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それは……制服か? 俺たちのものに似ているが……。
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バルタザール
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ようこそ、士官学校の生徒さんよ! 華々しい方々が、こんな場所に何の用だ?
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クロード
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いや、俺たちは大修道院をうろついていた 怪しい人影を追ってきただけでね。
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エーデルガルト
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貴方たちに用はないわ。 そこを通してもらえないかしら?
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コンスタンツェ
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おーっほっほっほっほっほっほっ! それは無理な相談ですわよ!
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コンスタンツェ enters the scene
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コンスタンツェ
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そこの暴れん坊は騙せても、 私の目は誤魔化せませんわ……!
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コンスタンツェ
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貴方たちの真の目的、このコンスタンツェ= フォン=ヌーヴェルが当ててあげましょう!
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コンスタンツェ
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アビス住民の排除を目論む教団の指示で、 介入の口実を探しに来たのですわね!
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エーデルガルト
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ヌーヴェル……?
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バルタザール
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戦う理由がありさえすりゃ、 中身は何だって関係ねえだろ。
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バルタザール
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やんのか? やらねえのか?
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ディミトリ
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……見るに、なかなかの手練れのようだ。 いちいち相手をするのは得策ではないな。
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クロード
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ああ、そいつは俺も同感だ。 今日のところは引き揚げるか……
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ユーリス
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この期に及んで帰るだなんて、 そう寂しいこと言ってくれるなよ。なあ?
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ユーリス enters the scene
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ハピ enters the scene
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ユーリス
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ここの連中はみんな娯楽に飢えててね。 戦争ごっこがしたくて堪らねえのさ。
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クロード
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ほほう……鮮やかな挟撃の手並み、 やっぱりただのごろつきじゃなさそうだ。
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ディミトリ
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おい、クロード。感心している場合か。 ここは俺たちで突破口を開かねば……
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バルタザール
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待て……クロード? リーガン公爵家の、新しい嫡子か?
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クロード
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いや、人違いだろ? クロードなんて フォドラじゃ珍しくもない名前だ。
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クロード
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それこそ、適当に偽名で使う奴も いるくらいな。
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バルタザール
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だが、今年の士官学校の生徒に クロードって名の男は一人だけだろ?
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クロード
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おいおい、何でまた そんなことまで知ってるんだよ……
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バルタザール
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はっはあ! こいつはとんだ僥倖だぜ!
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バルタザール
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ようしお前ら、ぶん殴られてケツ並べるか、 おとなしくふん縛られるか選びな!
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クロード
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悪いな、みんな。心当たりはないんだが…… どうやら俺のせいで遺憾にも戦闘に突入だ。
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クロード
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東方の隠者いわく、石を投げつけられたら、 石の雨を降らせて返してやれ、だとさ。
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バルタザール
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ようやくやる気になったかよ。 “レスターの格闘王”の拳、味わってけ!
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ヒルダ
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うーん……あの男の人、なーんか どこかで見たことあるような……。