link
バルタザール
volume_up
はっはっは! ヒルダか! いやまったく、
早く言ってくれりゃあいいじゃねえか。
link
ヒルダ
volume_up
バル兄、ほんっとのん気すぎー。
これ、兄さんが知ったら何て言うかなー?
link
バルタザール
volume_up
すまん……ホルストには黙っといてくれえ!
ヒルダに手ぇ上げたなんて知れたら、死だ!
link
ヒルダ
volume_up
死で済めばいいくらいよねー。
仕方ない、今回は黙っといてあげますか。
link
クロード
volume_up
なあ、ところで俺を見つけて僥倖ってのは
いったい何だったんだ?
link
バルタザール
volume_up
いやあ、おれが借金をしてる相手の一人に、
グロスタール伯爵ってのがいてだな……
link
バルタザール
volume_up
借金棒引きの代わりに、お前の周囲を探れ
っつう依頼があったのを思い出したんだ。
link
クロード
volume_up
ははあ、だいたいの事情は察したが……
それなら殴り合う必要はないだろ?
link
バルタザール
volume_up
何言ってやがる。相手のことを知りたきゃ、
まず拳で語り合う……普通だろうが。
link
ハピ
volume_up
……キミ、本気?
バルトみたいな人が他にもいたなんて。
link
ハピ
volume_up
しかもこんな美人のおねーさんがね。
信じがたい……。
link
ユーリス
volume_up
……だよなあ。あんたが
真っ当な感性の持ち主で何よりだよ。
link
バルタザール
volume_up
ま、そちらさんが教団の意図とは
無関係ってことは理解できた。
link
バルタザール
volume_up
けど……そいつはつまり、また「奴ら」が
襲ってくる可能性があるってことだ。
link
バルタザール
volume_up
このアビスは、誰かに狙われててな。近頃、
何度も傭兵どもに踏み荒らされてるんだ。
link
ユーリス
volume_up
……その雇い主が誰なのか、
わかってねえのが歯痒いところなんだがな。
link
ユーリス
volume_up
教団には、汚え地下街なんて浄化しちまえと
言ってる連中も多いらしくてね。
link
ユーリス
volume_up
あんたらがここへ来たのも、その関係かと
思っちまったのさ。悪かったな。
link
ヒルダ
volume_up
だから、他所者は殺すー!みたいな感じで
あたしたちを襲ってきたってことねー。
link
ハピ
volume_up
ごめんね。
ハピたちも結構、気が立っててさ。
link
コンスタンツェ
volume_up
まさか、ただの好奇心でアビスに降りる人が
いるだなんて想定外にも程がありますわ。
link
バルタザール
volume_up
地下通路の由来は知られてねえ。大修道院と
一緒に造られたのか、もっと昔のものか。
link
コンスタンツェ
volume_up
その正体を正しく知る者などいませんわ。
ただし、これだけは言えますの。
link
コンスタンツェ
volume_up
アビスとは、日の光の下で暮らせぬ者たちの
居場所。煤に塗れたガルグ=マクの闇。
link
ハピ
volume_up
教団は、ずっと黙認してきたんだってさ。
ガルグ=マクの繁栄には必要だろうって。
link
ユーリス
volume_up
地上のゴタゴタには干渉しねえ、地上からの
干渉も受けねえ……それが取り決めだった。
link
コンスタンツェ
volume_up
……し・か・し! どうしたことか、
このところ地上の者が襲ってくるのです。
link
コンスタンツェ
volume_up
こんな地下でしか暮らせない者たちを
更に虐げようだなんて……許せませんわ!
link
コンスタンツェ
volume_up
かくいう私たちも、大変不本意ですけれど、
深い理由があって地上では暮らせませんの。
link
コンスタンツェ
volume_up
さるお方のお慈悲で、このアビスに
暮らすことを許されているのですが……。
link
ヒルダ
volume_up
えー、じゃあバル兄も何か
すっごい事情があったりするわけ?
link
バルタザール
volume_up
ああ、おれがここにいるのには
賞金稼ぎから逃げるという大変な事情が……
link
ユーリス
volume_up
……さて、もう世間話は十分だよな?
地上の皆さんはそろそろお帰りの時間だろ。
link
コンスタンツェ
volume_up
え? 帰してしまうんですの?
この方たちに頼めばよいではありませんか。
link
バルタザール
volume_up
おいおいおい、まだ頼んでもいねえだろ。
話くらい聞いてけよ。
link
バルタザール
volume_up
さっきも言ったがここには頻繁に傭兵……
ほとんど賊だな、が攻めてくる。
link
バルタザール
volume_up
けど、ここに住んでる連中の大半は、
戦いを避けてきた弱者だ。
link
バルタザール
volume_up
家も仕事もねえ老人に、親を失ったガキ。
捨てられた女や、貴族にはめられた商人。
link
コンスタンツェ
volume_up
身を守る術を持たぬ者たちを救うため、
私たちの居場所を守るため……
link
ディミトリ
volume_up
……だがお前たちからしてみれば、俺たちも
同じ地上の人間だ。信用できるのか?
link
ユーリス
volume_up
できるかできないかで言えば、できるね。
教団の指示では動いてなさそうだし……
link
ユーリス
volume_up
ただの貴族のお子様どもじゃあねえ。
戦いぶりや、今の言動を見れば十分だ。
link
ユーリス
volume_up
だからこそ、こんな危ない話には
巻き込めねえと思ったんだが……
link
ハピ
volume_up
もう話しちゃったんだからいいじゃん。
ま、答えは今すぐじゃなくていいし。
link
コンスタンツェ
volume_up
そうですわね。アビスを見て回って、
現状を知れば自ずと答えは定まりますわ。
link
バルタザール
volume_up
そういうこった。
とりあえずは「客人」として、歓迎するぜ?