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コンスタンツェ
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ああ、公爵閣下がご無事で何よりで
ございます。遺産も盗られませんでしたし。
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ゲルズ公
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ああ……君たちのおかげだ。
今日ほど肝が冷えた日はなかったよ。
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コンスタンツェ
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ええ、スレンの冬よりも冷えましたわ。
私どもには荷が重たい相手でございました。
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ユーリス
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……そうだな。
奴らだって、利用されただけだろうに。
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コンスタンツェ
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首魁らしき方を取り逃してしまったのは、
すべて私の責、私が無能だったゆえ……。
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コンスタンツェ
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公爵閣下と遺産を守り切れたことのみが
まさに奇跡と言えましょう。
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ゲルズ公
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コンスタンツェ……見る影もないな。
過去の出来事が、君をそこまで……
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ゲルズ公
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だが、君は私を救ってくれた。
その恩には必ず報いたいと思う。
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ゲルズ公
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いや、今日の恩だけではないな。
私は君の両親にも大きな借りがある。
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ゲルズ公
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教団が君を派遣したのも、
それを見越してのことだったろう……。
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コンスタンツェ
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両親はともかく、私に恩を感じることなど
無用ですわ。報いていただく必要も……
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ユーリス
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いや、そこは素直に報いてもらえよ。
遺産が必要だろ?
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ゲルズ公
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ああ……これを持っていってくれ。
受け取れなければ君の仲間に渡そう。
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ゲルズ公
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“ドローミの鎖環”という。
オーバンの紋章に対応する英雄の遺産だ。
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ゲルズ公
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ダグザに伝わっていた宝物でね、講和の際、
彼らが友好の証として差し出してきた。
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ゲルズ公
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古の時代、聖セイロスは十傑やそれに与する
氏族たちを討伐していったという。
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ゲルズ公
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氏族の長の中には、討伐の手から逃れ、海の
向こうを目指した者がいたのかもしれない。
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ゲルズ公
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私は帝国の外務卿だ。
手札は何枚あっても困ることはない。
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ゲルズ公
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特に教団に対しては切り札にもなる。近年、
帝国と教団の関係は冷え込んでいるしな。
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ゲルズ公
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私は帝国の外務卿だ。
手札は何枚あっても困ることはない。
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ゲルズ公
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だが……私は外務卿失格だな。
私情を優先してしまった。
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ゲルズ公
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今は亡き友人と、その娘への恩返しに……
手札を手放そうとしているのだから。
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コンスタンツェ
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さあ、大修道院に戻ってきましたわ!
回収した遺産を届けなければ。
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ユーリス
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ああっと、そのことなんだが……
悪い、ちょっとその遺産、貸してくれるか。
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ユーリス
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そういうこった。
……先生、頼みがある。
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ユーリス
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この遺産を貸し出してもらえるように、
教団に掛け合ってもらえねえかな。
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ユーリス
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オーバンの紋章は、フォドラから消えた。
紋章を継ぐ血筋なんてものも存在しない。
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ユーリス
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教団で把握している限りでは、俺が、
フォドラで唯一これを扱えるってことだ。
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ユーリス
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大修道院の宝物庫で眠らせておくよりは、
よほど実用的で、よほど安全だと思うがな。
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ユーリス
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安心してくれ、悪用なんてしねえよ。
ゲルズ公にも申し訳が立たねえだろう。
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ユーリス
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借り受けている間の管理は先生に任せる。
そのほうが教団にも話を通しやすいだろ?
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ユーリス
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ただ、ゲルズ公がこれを持て余すくらいなら
使ってやるほうがマシだと思っただけさ。
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ユーリス
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せいぜい、人のためになるような
使い道を考えてみるつもりだよ。