link
ドロテア
volume_up
……何の話って顔してる?
私の好きにさせてくれていることよ。
link
ドロテア
volume_up
あれから、私に意味深な視線を
送ってくるのも減ったし……
link
ドロテア
volume_up
私がどんな男といようと、
気にしないようにしてくれてるでしょ?
link
ドロテア
volume_up
それはそうでしょう。
先生からの愛を感じたわ……ふふふ。
link
ドロテア
volume_up
ないならないでいいわよ。
私が先生の愛を感じただけだから……ふふ。
link
ドロテア
volume_up
帝都アンヴァルの裏通りで泥水を啜っていた
孤児の私は、マヌエラ先輩に見出され……
link
ドロテア
volume_up
ミッテルフランク歌劇団の歌姫として、
華々しい世界に足を踏み入れました。
link
ドロテア
volume_up
そこでは、多くの出会いがありましたが……
私のことを見てくれた人はいませんでした。
link
ドロテア
volume_up
私は名も無き“神秘の歌姫”であり、若くて
華やかなだけの女でしかなかったんです。
link
ドロテア
volume_up
私の見た目や歌声ばかりをやたらと褒め、
要りもしない贈り物を山のように……。
link
ドロテア
volume_up
いつか私は老いて、見た目も段々と翳って、
声も変わり歌も歌えなくなってく。
link
ドロテア
volume_up
そうした時、私には何が残るんだろって、
思ったの。
link
ドロテア
volume_up
きっと帝都の裏通りに戻って、天涯孤独の
身で人生の幕を降ろすことになる……。
link
ドロテア
volume_up
先生が保証してくれるのかしら?
でも、未来はわからないわ。
link
ドロテア
volume_up
それは口説き文句かしら?
ふふっ……だったら嬉しいけれど。
link
ドロテア
volume_up
私は元々、何も持っていなかった。
いつそこに戻るともしれない……
link
ドロテア
volume_up
だから、捜してるんですよ。
こんな私でも、愛してくれる相手を。
link
ドロテア
volume_up
歌劇団の歌姫じゃなくて、帝都の裏通りに
佇む身寄りのない娘を拾ってくれる……