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ローレンツ
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先生、失礼するよ。
貴方/貴女が僕を捜していると聞いてね。
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ローレンツ
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まさか先生の代わりに講義をしろとでも
言うんじゃないだろうね?
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ローレンツ
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いくら僕が優秀でも、それは……
違うのか? じゃあ、何の用かな?
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ローレンツ
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苦情? 先生に? この僕についての?
はっははは、何かの間違いだろう。
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ローレンツ
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名門グロスタール家の嫡子として、
普段の素行には人一倍、気を遣っている。
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ローレンツ
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僕よりも素行の良い者を見つけるほうが
よほど難しいと思うがね。
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ローレンツ
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ああ、そうか。僕のような貴公子がいては
勉学に集中できないと、そういうことか?
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ローレンツ
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やれやれ……罪だな、僕は。意図せず
女性の心を惑わせてしまうとは……。
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ローレンツ
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なっ……? 失敬な!
そんな苦情を申し立ててきたのは誰だ?
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ローレンツ
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……確かに、女性に声をかけたり、
食事に誘ったりすることはあるさ。
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ローレンツ
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一見、育ちのいいお嬢様でも、本当に僕と
釣り合うだけの器量があるかはわからない。
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ローレンツ
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だから、相手をより深く知るために、
食事に誘うのは必要なことなのだよ。
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ローレンツ
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なかなか誘いを受けてはもらえないが……。
どうやら皆、僕に遠慮があるらしくてね。
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ローレンツ
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だが、しつこく誘うようなことは
断じてしていない。断じて、だ。
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ローレンツ
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……日を置いて、再度誘うことはあるが。
あくまで、紳士的にさりげなく、だ。
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ローレンツ
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何だと……? 馬鹿な!
この僕の誘いが迷惑などと!
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ローレンツ
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品行方正、容姿端麗、才気煥発にして
名家の嫡子である僕の誘いが迷惑などと!
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ローレンツ
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信じられん……。どういうことだ……。
これは何かの陰謀ではないのか?
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ローレンツ
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そうだ、そうに違いない。
先生、これは何者かによる陰謀だ。
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ローレンツ
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僕を妬む何者かが、僕を陥れようとして
こんな噂を……ふ、だが稚拙な計略だな。
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ローレンツ
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そういう訳だから先生。
今後はくだらぬ噂に耳を貸す必要はない。
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ローレンツ
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さて、僕も忙しい身なのでこれで失礼する。
ご機嫌よう、先生。