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ドゥドゥー
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殿下。このような夜更けに、
どこへ行かれるのです。
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ディミトリ
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……書庫へ調べ物に。
それが済んだら、軽く鍛錬して休む。
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ディミトリ
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……いや、いい。
もう子供じゃない、勘弁してくれ……。
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ドゥドゥー
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ですが殿下、昨日訓練中にお怪我なさったと
聞いています。もし、また何かあれば……
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ディミトリ
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ただの打ち身だ、すぐに治る。
それよりもドゥドゥー、お前……
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ドゥドゥー
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殿下、何かご不満でも……?
直せることであれば、すぐにでも。
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ディミトリ
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お前はいつから俺のことを
殿下、と呼ぶようになった。
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ディミトリ
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出会った頃のお前は、
俺を名前で呼んでいただろう。
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ドゥドゥー
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……それは、その。
フォドラの言葉には、不慣れだったために。
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ディミトリ
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王子としての敬称で呼ばれるよりも、
名前で呼ばれるほうが気楽でいい。
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ディミトリ
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俺に対する礼儀を弁えさせるために
読み書きを教えてやったわけではない。
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ディミトリ
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お前を士官学校に通わせたいと言ったのも、
従者としてではなく、友人として、だ。
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ドゥドゥー
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ですが殿下、ご理解ください。
おれは殿下の友人ではなく、従者なのです。
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ディミトリ
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……お前と出会って随分経つが、
こればかりは埋まらない溝だな。
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ディミトリ
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まあいい。とにかくお前は、
先に部屋に戻って休め、ドゥドゥー。
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ドゥドゥー
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! なりません、殿下。
おれも同行すると言ったはずです。殿下!
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ディミトリ
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その過保護ぶりも、そのうち
何とかしたいところなんだがな……。