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ディミトリ
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……ここにいたのですね、ギルベルト殿。
祈りは、もう済んだのですか。
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ディミトリ
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ああ……ここにはあなたと俺しかいない。
ギルベルト殿などと呼ぶのはやめましょう。
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ディミトリ
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……ギュスタヴ。
この名を呼ぶのは8年ぶりになるか。
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ギルベルト
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……殿下。許可なく国を離れたこと、
お詫びいたします。私は……。
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ディミトリ
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いい。理由ならわかっている。
……「ダスカーの悲劇」だろう。
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ディミトリ
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あの事件に責を感じたお前は、女神に縋り
名も地位も捨てて国を去った。……違うか?
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ギルベルト
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……弁解のしようもありません。
私のような者には、こうすることしか……。
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ディミトリ
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敬虔な信徒だったお前のことだ。逃げ出す
先があるなら、ここしかないと思っていた。
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ディミトリ
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……お前は変わったな。
いささか、腑抜けた顔になった。
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ギルベルト
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は……殿下も、あの日から
お変わりになられました。
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ギルベルト
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陛下をお守りするのが、私の務めでした。
無論、殿下、あなたの御身も……。
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ディミトリ
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……どれほど後悔を口にしたところで、
死んだ者は戻らない。
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ギルベルト
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陛下をお守りするのが、私の務めでした。
無論、パトリシア様や殿下の御身も。
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ディミトリ
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……父上も継母上も、もう死んだ。
後悔を口にしたところで、戻ってはこない。
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ギルベルト
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ですが、私がもっと早く、
ダスカーへと参じていれば……
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ディミトリ
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お前はダスカーで俺を救ってくれた。
感謝こそすれ、恨む道理はない。
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ディミトリ
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腐り果てたファーガスを立て直すには、
お前の力が必要だ。
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ディミトリ
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……この戦いが終わっても、
王国に残ってくれ、ギュスタヴ。
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ディミトリ
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荒れ果てたファーガスを立て直すには、
お前の力が必要だ。
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ギルベルト
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……いいえ。あの国に、私の戻るべき場所は
ございません。どうかご容赦を。
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ディミトリ
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別に、お前を困らせたかったわけじゃない。
戻る気がないのなら、それでもいい。
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ディミトリ
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だがな、せめて故郷に顔を出してやれ。
お前の家族が哀れでならない。