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ディミトリ
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座ってもいいか。
ここしか空いていないものだから。
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マリアンヌ
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この間はただ……あなたが、命を落としても
悔いはない、なんて言うから、つい……。
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ディミトリ
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俺の言葉が気に障ったなら、謝罪する。
……だが、理由を聞いてもいいか?
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マリアンヌ
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………………。
私に近づく人は、不幸な目に遭うんです。
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マリアンヌ
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あなたのように、
自分の身を省みない人ほど、特に……。
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ディミトリ
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要は自分の身を省みろ、と……?
いやまあ、そこは反省したいところだが……
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ディミトリ
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お前が周囲を不幸にする、とは思わない。
むしろ、お前は運が強いんだろう。
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マリアンヌ
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運が強い……?
私には……とても、そうは思えません。
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マリアンヌ
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生まれも境遇も……不運の連なりで
できているような人生ですから……。
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ディミトリ
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だが、お前の周囲で人がいくら死んでも、
お前はこうして、無事で生きている。
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ディミトリ
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……そして、いつも自分だけが残されて。
一緒に死んでやれなかったと悔やむ。
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マリアンヌ
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………………。
どうして……わかるんですか……?
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ディミトリ
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マリアンヌこそ、俺に近寄れば
不幸な目に遭うかもしれないぞ。
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ディミトリ
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……どうした、珍しいな。
お前がそうして笑うなど。
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マリアンヌ
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あなたのような人が、
私なんかと同じだなんて……。
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マリアンヌ
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初めて……誰かに、私の素直な気持ちを
理解してもらえた気がします……。