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マリアンヌ
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……生き残ってしまいましたね。
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ディミトリ
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……そうだな。 運が強かったのだろう。
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マリアンヌ
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私……時々、考えるんです。……どうして、 いつも自分が生き残ってしまうのか、と。
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マリアンヌ
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人の生死を分けるのが運だとすれば…… 主は私に生きよと言っているのでしょうか?
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マリアンヌ
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私なんかよりも、生き永らえるべき人は たくさんいるのに……。
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ディミトリ
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……俺も、いつもそう思う。 人死にの多い戦いの後は特にな。
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ディミトリ
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だが俺は、生きねばならない。 そう簡単に死んでいいはずがない。
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ディミトリ
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俺には、犯してきた罪をあがなう義務が、 築いてきた死体の山に向き合う義務がある。
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ディミトリ
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女神が俺を殺さずにいるのは、 きっと……そういうことなのだろう。
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マリアンヌ
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では……私にも、あるのでしょうか。 主が、私を生かす理由が。
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ディミトリ
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さあな、それはお前にしかわからない。 だが……俺は、きっとあるのだと思う。
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マリアンヌ
………………。
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ディミトリ
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……なあ、マリアンヌ。 生きるのは、つらいか。
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マリアンヌ
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楽しい、とは……思えません。
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マリアンヌ
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人々の命の上に立っているのが怖い……。 申し訳なくて、消えてしまいたくなります。
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ディミトリ
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……それなら、そのままでいい。 無理に明るく振る舞うこともない。
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ディミトリ
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だが、まだ生きることを諦めないでくれ。
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マリアンヌ
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……どういう意味ですか?
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ディミトリ
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意味も何も…… ……お前が死んだら、俺が悲しい。
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マリアンヌ
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……ふふ。 あなたは、不思議な人ですね。
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ディミトリ
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俺が?
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マリアンヌ
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私……もっと明るくしろと、 よく皆さんに叱られるのですが……
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マリアンヌ
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あなたのように言ってくれる人は、 珍しくて……。
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マリアンヌ
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……ディミトリさんも、 生きるのは……つらいですか?
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ディミトリ
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そうだな。 ……俺は、強い人間ではないから。
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マリアンヌ
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……でも、あなたがそんな人だから、 こうして仲良くなれたんだと思います。
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ディミトリ
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……そうかな。
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マリアンヌ
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……そうです。
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マリアンヌ
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この戦争が終わるまで……いえ、その後も 死なないでくださいね、ディミトリさん。
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マリアンヌ
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あなたが死んだら、私も…… 本当に……悲しいですから。
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ディミトリ
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……お前を残して、死にはしないさ。 生きる理由が、また1つ増えたな。
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ディミトリ
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フォドラの女神に誓おう。 ……お前を悲しませはしない、と。